1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457285
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村下 十志文 北海道大学, 医学部, 講師 (20261290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 慶秀 北海道大学, 医学部・付属病院, 教授 (60125359)
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Keywords | 未熟心 / 心筋保護 / Na / H exchange / 緩衝剤 |
Research Abstract |
新生児家兎摘出心をcrystsloid solutionにて灌流するworking heart modelを確立するのに時間を要した。平成7年度は,心筋虚血再灌流障害に於けるNa-H exchangeの役割,重要性を検討した。特に,未熟心では低温下multidose投与法が障害的に働くという事実をふまえ,実験条件を20℃の虚血としmultidose投与法で行い比較検討した. 1.まず心筋保護液のpHを6.6,7.0,7.4,7.8,8.2と増加させた時の、虚血前後の心機能、逸脱酵素を測定しその保護効果を比較した。その結果、心筋保護液のpHを増加させると心機能の回復は低下し逸脱酵素も増加し,acidicな液の方がalkaloticな液よりも有効であることが示された.また,pH6.6と8.2の心筋保護液に特異的Na/H exchange blockerであるN-dimetyl amirolideを加え虚血前後の心機能、逸脱酵素を測定し比較したところpH8.2の心筋保護液にN-dimetyl amirolideを加えると心機能回復は有意に改善した.このことはNa/H exchangが再灌流障害に関与していることを示している. 2.次に心筋保護液中の緩衝剤の濃度を変化させることによりNa/H exchange活性をmanupilationし,再灌流障害に於けるNa/H exchangeの関与を検討した.その結果,緩衝剤として細胞膜を通過しないHEPESを用いて心筋保護液中のHEPES濃度をあげる(緩衝能をあげる)と心機能回復は不良であった. 以上のことから,未熟心では低温下multidose投与法が障害的に働く理由として,心筋虚血再灌流障害においてNa/H exchangeが重要な役割をしていることが示唆され、再灌流障害の予防法の一つとしてNa/H exchange blockerが有効であることが考えられた。
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