1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457296
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富永 隆治 九州大学, 医学部, 助教授 (70136464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福村 文雄 九州大学, 医学部, 助手 (80264026)
森田 茂樹 九州大学, 医学部, 講師 (70243938)
安井 久喬 九州大学, 医学部, 教授 (20089923)
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Keywords | 拍動流 / 無拍動流 / 人工循環 / 牛 / 血管内皮細胞 / 好気性代謝 |
Research Abstract |
覚醒下の子牛を用いた実験に先立ち20〜25kgの大型犬を用いて左心補助人工循環モデルを作成し、拍動流と無拍動流を変化させ、以下の知見を得た。 1.〈拍動の有無による血行動態の変化〉人工循環の流量を一定に保ちながら拍動流から無拍動流に変更したところ、無拍動流においては平均血圧および全身血管抵抗値は上昇の傾向を示し、下肢の末梢血管抵抗値は有意に上昇した。 2.〈血管内皮細胞機能の検討〉(1)流量依存性拡張機能 犬の右大腿動脈を30秒間クランプ後開放し、Reactive Hyperemiaをおこして流量の変化を観察した。最大流量は拍動流と無拍動流で差はなかったが、Reactive Hyperemiaの持続時間は無拍動流において有意に低下した。これは無拍動流において血管内皮細胞の一酸化窒素産生能の低下によると考えられた。(2)血管拡張物質による拡張反応 血管内皮依存性拡張物質であるアセチルコリンおよび血管内皮非依存性拡張物質であるニトログリセリンによる拡張反応は拍動流と無拍動流で差はなかった。これにより血管内皮のレセプターを介する血管拡張反応、および血管平滑筋による血管拡張反応は拍動の有無に影響を受けないことが示された。 また、両心バイパスを用いた覚醒下の子牛を用いた実験(n=1)において以下の知見を得た。 1.〈拍動の有無による血行動態の変化〉全身血管抵抗は無拍動流で上昇を示した。 2.〈好気的代謝を維持できる最低流量(Critical Flow)の検討〉酸素消費量と乳酸値から求めたCritical Flowは拍動流では60〜70ml/kg/min,無拍動流では70〜80ml/kg/minの間にある可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)