1995 Fiscal Year Annual Research Report
補助循環における駆動源としての自己骨格筋の至適化に関する研究
Project/Area Number |
07457302
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (60155752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増澤 徹 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (40199691)
巽 英介 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00216996)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (00142183)
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 副所長 (60028595)
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Keywords | 骨格筋 / 電気的トレーニング / pre-conditioning / 骨格筋ポンプ / transfornation |
Research Abstract |
今年は,主に兎を用いた実験モデルにおいて電気的トレーニング法を検討した.3kg前後の兎を用い,左広背筋の停止近くに刺激電極を埋込み,10週間の電気的トレーニングを施行した.トレーニング終了後広背筋を剥離し,体積5mlのマンドレルに巻き付け骨格筋ポンプを作製し,模擬回路に接続し仕事量を測定した.筋肉の刺激条件は毎分収縮回数50回で%systoleが25%となるようにし,刺激電圧は7Vとした.力学的特性及び耐疲労性に対するトレーニング効果について,トレーニングを施行した左広背筋(+)および施行しなかった右広背筋(-)を比較検討した.先ず後負荷80mmHg,前負荷5〜30mmHgの左心条件下に3回連続刺激を行い,初期拍出仕事量を比較した,次に後負荷30mmHg,前負荷5〜20mmHgの右心条件下において比較した.その後,後負荷30mmHg,前負荷10mmHgの右心条件下に毎分50回で連続駆動させ拍出仕事量を1時間まで測定し,耐疲労性を比較した.仕事量測定終了後,筋組織を生検し組織的検討を行った.左心条件下の検討では,拍出仕事量(SW)は(+)側で低い傾向が見られ,前負荷5mmHgで有意差を認めた.また(+)側の最大初期拍出仕事量は前負荷20mmHgにおいて正常兎左心一回拍出仕事量の67%であった.後負荷30mmHgの右心条件下でも(+)側の初期拍出仕事量は(-)側に比して小さく,前負荷10mmHg,20mmHgでは有意差を認めた.また,前負荷10mmHgでは正常兎右心一回拍出仕事量の184%であった.耐疲労性の検討では,(-)側では約3分で急速にSWが減少した.(+)側では初期拍出仕事量は(-)側に比して有意に小さいものの1時間駆動可能で,耐疲労性が獲得されていた.安定して維持された仕事量は初期拍出仕事量の約1/3,拍動数毎分50回として計算した正常兎右心一回拍出仕事量の66%であった.また,組織学的なtransformationが確認された.現在成山羊を用い,in siru広背筋を用いてトレーニング法の検討を続けている。
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[Publications] T, Nakatani, et. al.: "Power of the Fatigue Resistant In Situ Latissimus Dorsi Muscle" ASAIO Journal. 41(3). M768-M771 (1995)
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[Publications] 中谷,武嗣 他: "兎広背筋からなる骨格筋ポンプの基礎特性の検討" 人工臓器. 24(3). 874-877 (1995)