1995 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍の遺伝子診断とアポトーシス誘導療法に関する研究
Project/Area Number |
07457319
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
田渕 和雄 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50116480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峰田 寿裕 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20264187)
福山 幸三 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (60238516)
戸田 啓介 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80274588)
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Keywords | 脳腫瘍 / アポトーシス / p53 / p16 / p21 / Fas / Bcl-2 / Bcl-x |
Research Abstract |
1)グリオーマ手術時生検組織を材料としてp16およびp21遺伝子産物の発現を免疫組織化学的に検討した。p21の陽性率は増殖能の指標であるMlB-1 indexと相関した。p16陽性率はグリオーマの悪性度が高くなるに伴って低下した。p16は核内蛋白質であるにも拘わらず、神経膠芽腫の一部の症例では細胞質にのみ強く染色され、p16蛋白質の構造異常により核内輸送が障害されている可能性が示唆された。p16蛋白質の発現がみられない例ではp16遺伝子の欠失が原因であることが確認された。 2)in situ DNA double strand breaks染色によりグリオーマ組織におけるapoptotic cellの同定が可能となった。星細胞腫では平均0.4%、膠芽腫では平均1.1%の細胞がアポトーシスをきたしていることが判明した。 3)グリオーマ組織におけるアポトーシス関連遺伝子産物であるFas,Bcl-2,Bcl-x及びBaxの発現を免疫組織化学的に検討した。病理組織学的悪性度が高いほどFasの発現が強くなる傾向にあった。すべてのグリオーマ組織でBcl-2の発現があり、Bcl-2が腫瘍細胞の生存延長に深く関与しているものと思われた。膠芽腫ではBcl-2の陽性率は低い傾向にあったが反対にBcl-xは高く、このことから膠芽腫においてはBcl-2とBcl-xとが相補的にアポトーシスを抑制している可能性が考えられた。Baxはその発現に変化が認められなかった。グリオーマにおけるアポトーシスはアポトーシス促進因子と抑制因子とにより複雑かつ精妙に制御されているものと推察された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 戸田啓介: "グリオーマにおけるFas抗原の発現とアポトーシスの頻度" 神経免疫研究. 7. 125-128 (1995)
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[Publications] 白石哲也: "グリオーマにおけるFas-Fasリガンド系の役割とアポトーシス" Cytometry Research. 5. 83-88 (1995)
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[Publications] 白石哲也: "グリオーマにおけるp53とCdk阻害蛋白質(p16,p21)の免疫組織化学的検索" 神経化学. 34. 240-241 (1995)
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[Publications] 戸田啓介: "グリオーマに対するOK-MC (OK-432-activated mononuclear cells)養子免疫療法におけるFas/Fas ligand系の関与" 神経化学. 34. 96-97 (1995)
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[Publications] 白石哲也: "アポトーシスの分子機構と神経疾患" 脳神経外科. 23. 563-574 (1995)
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[Publications] Nakagawa,S.: "Detection of DNA strand breaks associated with apoptosis in human brain tumors." Virchows Arch. 427. 175-179 (1995)