1996 Fiscal Year Annual Research Report
人工半月板開発のための基礎研究(半月板機能の解明と人工材料による再現)
Project/Area Number |
07457333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池内 健 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (30026223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
岡 正典 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (20088537)
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Keywords | 膝関節 / 半月板 / 有限要素解析 / 軟組織 / 衝撃荷重 / 海綿骨 |
Research Abstract |
外力による膝半月板の変位特性を調べるために,柔軟な針を挿入固定してレーザー変位計で高精度に測定する新しい方法を開発した.このプローブにおける変位の最小判別能は2μmであり,3mm以上の測定範囲において線形性が保たれた.角度の異なる2本の針の先端部をを半月板内部の同一位置に挿入固定して測定を行い、膝関節面内における半月板の変位ベクトルを決定することができた.ついで豚の膝関節を用いて実験を行った結果,半月板の荷重による外向きの変位量は小さかった.以上より,半月板が関節軟骨表面の形状適合性を保つことによって,応力集中を防ぎつつ荷重を伝達する機能が解明された.ついで前後方向及び内外側方向に引き出し力を加えて半月板の変位量を測定し,半月板が膝関節の運動の安定性に寄与していることを確認した. 膝関節に衝撃荷重が加わるときの関節下骨における応力とひずみを有限要素法によって解析し,小型圧力センサーとひずみゲージを用いて計測した結果,衝撃荷重下では応力波の大部分が半月板を経由して伝達されることがわかった.片側の半月板を切除した場合には反対側の関節下の海綿骨に高い圧縮応力が生じ,さらに半月板を全切除した場合には応力波は関節の中央部に集中して伝達されることを確認した.また半月板を切除する膝関節における衝撃荷重の散逸エネルギーが減少することがわかった. 以上より,膝半月板が荷重を支えて応力集中を防ぎ,屈曲伸展運動を妨げることなくその安定性を高める機能を有することが力学的に解明された.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ken Ikeuchi: "Friction control with a graft layer of a thermo-sensing polymer." Wear. 199. 197-201 (1996)
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[Publications] 牛島 三七十郎: "人工関節軟骨の耐摩耗性向上に関する研究" 生体材料. 14・5. 201-210 (1996)
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[Publications] 村瀬 晃平: "膝関節海綿骨の衝撃応答の測定" 日本臨床バイオメカニクス学会誌. 17. 315-318 (1996)
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[Publications] 村瀬 晃平: "三次元衝撃解析による関節の負荷機構の研究(第3報)" 日本臨床バイオメカニクス学会誌. 17. 285-288 (1996)
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[Publications] 亀田 隆吉: "膝半月板の関節安定化機能に関する研究" 日本臨床バイオメカニクス学会誌. 17. 441-444 (1996)
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[Publications] 速水 尚: "骨髄液が海綿骨の荷重支持および緩衝特性に及ぼす影響" 日本臨床バイオメカニクス学会誌. 17. 331-336 (1996)