1996 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨細胞・骨芽細胞・破骨細胞の力学的負荷応答。基質接着構造と細胞内情報伝達系の変動
Project/Area Number |
07457335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
江原 宗平 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (40176780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 邦夫 信州大学, 医学部, 教授 (30112048)
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Keywords | 軟骨細胞 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 基質接着構造 / 細胞内情報伝達系 / 初期応答遺伝子 / チロシンキナーゼ / プロティンキナーゼC |
Research Abstract |
人軟骨肉腫初代培養細胞、また骨芽細胞様細胞(MC3T3E-1)並びにSaOS-2)に対して、静水圧を加えた培養条件で24時間まで培養し、その基質接着構造、アクチン細胞骨格の変化、さらにc-fos,c-junといったimmediate early response geneの発現を経時的に検討することを継続して行った。その結果、培養軟骨細胞や骨芽細胞への持続的な静水圧の負荷は数時間にて細胞接着部位を縮小させ、同時にアクチン細胞骨格の脱重合を促進させることが明らかとなった。この変化はc-fos,c-junといったimmediate early response geneの発現時期と一致しているようであり、これらの初期応答遺伝子による転写制御が力学的な環境変化に対する細胞応答にかかわっている可能性が示唆された。これらの細胞接着構造、アクチン細胞骨格の変化はgenisteinなどのチロシンキナーゼ阻害剤によって阻害された。さらに、staurosporinやcalphostinなどのプロテインキナーゼC阻害剤でも同様の阻害効果を示した。以上よりこれらの細胞応答はチロシンキナーゼ並びにプロテインキナーゼCを経由するシグナル伝達機構が関与する可能性が示唆された。さらにMAPキナーゼの関与なども含めて検討する必要がある。また培養皿上の基質を変化させて、基質の違いがシグナル伝達経路の違いを生じるかについても検討する必要がある。
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