1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457342
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
町田 正文 日本大学, 医学部, 講師 (30150717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 安秀 日本大学, 医学部, 講師 (30246871)
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Keywords | 特発性側弯症 / 病因 / メラトニン |
Research Abstract |
ヒトの特発性側弯症とメラトニンとの関連性を明らかにするために,健常小児15名,特発性側弯症の手術例18名を対象に,3時間毎に血液を採取し血漿内メラトニンを定量した。その結果,血漿内メラトニンは全例が21時より上昇し6時に下降し,その後低値を示すサーカリアンリズムを認めた。健常小児のメラトニンの1日量,0時から6時までの夜間メラトニン量,9時から18時までの昼間メラトニン量はそれぞれ229.9±88.6pg/ml,161.0±76.0pg/ml,47.5±14.2pg/ml(Mean±S.D.)であった.それに対し,特発性側弯症で手術前1年間にCobb角が10°以上進行した症例とそれ以下の症例ではそれぞれのメラトニン量は異なっていた.1年間に10°以上進行した症例は10例で,10°以下の進行例は8例であり,前者の1日メラトニン量,夜間メラトニン量および昼間メラトニン量はそれぞれ121.3±28.5pg/ml,82.3±32.9pg/ml,28.6±8.4pg/mlであったのに対し,後者のそれらは265.3±108.9pg/ml,215.6±87.9pg/ml,41.6±22.2pg/mlであった.1年間に10°以上の進行例のメラトニンの1日量および夜間メラトニン量は健常小児のそれらに比較し有意に低値であったが,10°以下の進行例では健常小児のメラトニン量と有意差がみられなかった.以上の研究結果から,特発性側弯症の進行例ではメラトニンの分泌が低下していることが明らかとなり,またメラトニンを定量することにより側弯変形の進行もある程度予測することが可能と思われる.
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