1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457349
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西野 卓 千葉大学, 医学部, 教授 (80009703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯野 史朗 千葉大学, 医学部, 助手 (80212968)
佐藤 二郎 千葉大学, 医学部, 講師 (90187203)
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Keywords | 気道防御反射 / プロポフォール / フェンタニール / セボフルレン |
Research Abstract |
本年度は我々がすでに確立した気道刺激法およびその評価法に加えて、内視鏡ビデオ撮影記録を用いた詳細な喉頭反応の観察を行った。本年度は静脈麻酔薬の気道防御反射に対する影響についての研究を重点的に行ったが、それに加えて喫煙の気道防御反射に対する影響、さらに吸入麻酔薬による麻酔導入時における気道防御反射の影響についても検討した。研究結果を以下に要約する。 1.静脈麻酔薬プロポフォールは単独投与の場合、喉頭粘膜への蒸留水刺激によって呼気反射、咳反射、痙攣様呼吸促迫反応を主とした反射を誘発した。しかし、プロポフォールに小量のフェンタニールが追加された場合は前述の反射硬化の発生頻度は減少し、無呼吸反射や喉頭痙攣反応が出現するようになった。さらに、フェンタニールの投与量が増加すると、呼気反射、咳反射、痙攣様呼吸促迫反応は用量依存的に抑制され無呼吸反射および喉頭痙攣反応だけが残るようになった。これらの結果はプロポフォール単独では気道防御反射を抑制することは不可能であり、小量のフェンタニール追加がより効果的に気道防御反射を抑制することを示唆している。 2.喫煙の影響については喫煙者と非喫煙者を対照としてセボフルレン麻酔下での喉頭粘膜蒸留水刺激および機械的刺激に対する反応を検討した。その結果、蒸留水刺激では両群に差は認められなかったが、機械的刺激に対しては喫煙者でより強い反応が生じた。この結果は刺激の種類によっては喫煙が気道防御反射を亢進することを示唆するものである。 3.吸入麻酔薬による導入時における気道反射の研究ではセボフルレンを用いて行ったが、気道刺激作用が比較的少ないセボフルレンでも鼻気道を介する気道防御反射が誘発されることを示唆された。
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[Publications] Ishii M,Nishino T,Kochi T.: "Changes in respiratory pattern during induction of anaesthesia with sevoflurane ; comparison of nasal and oral breathing" Eur J Anaesth. 13. 21-26 (1996)
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[Publications] Nishino T,Tagaito Y,et al.: "Cough and other reflexes on irritation of airway mucosa in man." Pulmonary Pharmacology. (in press). (1997)
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[Publications] 西野卓: "麻酔薬の気道反射に及ぼす影響" 日本臨床麻酔学会誌. 16. 207-213 (1996)
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[Publications] 杉森邦夫、西野卓: "喘息患者の麻酔管理1" LISA. 2. 56-61 (1995)