1995 Fiscal Year Annual Research Report
長期間NO吸入による肺血管グアニル酸シクラーゼの耐性化と細胞内カルシウムの変動
Project/Area Number |
07457354
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
丸山 一男 三重大学, 医学部, 教授 (20181828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 淳子 三重大学, 医学部, 助手 (50263017)
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Keywords | NO吸入 / 肺高血圧 |
Research Abstract |
長期間持続NO暴露法として独自に開発した、NO暴露チャンバーにて正常ラットおよびモノクロタリン肺高血圧ラットを飼育し10ppmでの長期連続吸入(3週間)を行なった。我々の開発したシステムでは、10ppmNO吸入の場合チャンバー内のNO_2濃度は、0.03ppmで環境基準以下であった。NO_x濃度は現有のNO_x分析計(NOX‐305,島津製作所)で行い、NOのNO_2への酸化率をSaltzman法で測定した。一日の飲水量、摂食量、尿量、便量測定を毎日、体重測定を2日おきに行なったところ、NO吸入はこれらの測定値になんら影響を与えなかった。摘出肺動脈血管の張力測定と細胞内カルシウム濃度の変化を同時測定したところ、当初の予定の分光光度計とオルガンバスを組み合わせたシステムでは、正確な細胞内カルシウムの変化が測定できないことが判明し、専用の細胞内カルシウム測定装置(CAF-100,日本分光)で正確な細胞内カルシウムの変化が記録できることが明らかとなった。10ppm NO吸入はラットの体重変化、摂食量、飲水量、便量、尿量に影響を与えないことが判明し、生理変化に影響がないこと、少なくともこれらの指標については害がないことが推定されたので、臨床的に投与されている10ppmでの長期吸入による影響を検討することは臨床的にも意義深いことと思われる。細胞内カルシウム濃度の変化と張力測定を同時に遂行することは、専用の細胞内カルシウム測定装置を使用することが重要であることが判明した。Ca^<2+>感受性蛍光指示薬fura‐2のロ-ディングには、工夫と経験を要し手技に習熟する必要がある。また、オルガンバスでの血管片の懸垂法には、水平につる場合と垂直につる場合があるが、いずれにおいても測定は可能であることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Maruyama K.: "Reduction of intrapulmonary shunt by lowdose inhaled nitric oxide in a patient with late‐stage respiratory distress associated with paraquat poisoning." Intensive Care Med.21. 778-779 (1995)
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[Publications] Maruyama K.: "Higher doses of inhaled nitric oxide might he less effective in improving oxygenation in a patient with interstitial pulmonary fibrosis." Anesth. Analg.81. 210-211 (1995)