1996 Fiscal Year Annual Research Report
尿路性器平滑筋における一酸化窒素合成酵素の存在とその活性化機構の研究
Project/Area Number |
07457368
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
武田 正之 新潟大学, 医学部, 助教授 (80197318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波田野 彰彦 新潟大学, 医学部, 助手 (00242404)
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Keywords | 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 非アドレナリン非コリン性神経 / 尿道性器平滑筋 |
Research Abstract |
1.尿路性器平滑筋における一酸化窒素合成酵素(以下NOS)の存在 1)薬理学的解析: 1.前立腺;神経電気刺激併用の等尺性収縮実験により、ヒトおよびイヌ前立腺において、NOS活性を有すると考えられる非アドレナリン非コリン性抑制神経による活動を認めた。青年期イヌでは明らかな弛緩を認めたが老人ヒト前立腺では認められなかったことから、前立腺肥大症による下部尿路閉塞機序のひとつとして、老齢化によるNOS活性の低下が示唆された。 2.尿道;雌イヌ尿道では、神経電気刺激併用の等尺性収縮実験により、NOS活性を有すると考えられる非アドレナリン非コリン性抑制神経による弛緩を認めた。この弛緩作用は、近位部尿道では強く認められたが遠位部ではほとんど認められず、このことから尿排出時の尿道弛緩の機序にNOSは近位部尿道では関与するが、遠位部尿道では関与が少ないと考えられた。 3.尿管、膀胱;ヒト尿管および膀胱平滑筋では、神経電気刺激併用の等尺性収縮実験により、NOS活性を有すると考えられる非アドレナリン非コリン性抑制神経による弛緩を認めなかった。 2)生化学的解析:前立腺;3H-Arginineおよび3H-Citurullineを用いたHPLC解析では、ヒト前立腺組織はNOS活性を有すると考えられた。 3)免疫組織化学的解析:抗神経型NOS(以下nNOS)抗体を用いた免疫組織学的検討では、ヒトおよびイヌ前立腺、ヒト女性および雌イヌ尿道平滑筋、ヒト尿管にはいずれもnNOS活性を有する神経構造を認めた。 4)分子生物学的解析:ヒト女性尿道平滑筋からmRNAを抽出し、逆転写酵素によりcDNAを作成し、これを用いてPCR法によりnNOS遺伝子を増幅した。ヒト女性尿道からは、ヒト陰茎から得られたものと近い大きさのDNAが2種類得られ、陰茎のものとは若干異なるものと考えられた。 2.尿道平滑筋におけるNOSの局在:ヒト女性尿道平滑筋および雌イヌ平滑筋におけるnNOSの局在を免疫組織化学によって調べた。雌イヌ尿道平滑筋では近位部に最も強くて遠位部になるほど弱かったが、ヒト女性尿道平滑筋では逆であった。 結論:以上から、ヒトおよびイヌの前立腺および尿道を中心とする尿路性器平滑筋にはnNOS活性を有する神経支配があり、これを介した非アドレナリン非コリン性の抑制性活動の存在することが分かった。
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[Publications] Takeda,M.et ol: "Pharmacological Evidence of Nitra Oxide Synthase(Nos)Activity" The Journal of Urology. 151.5. 297A (1994)
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[Publications] Obara,K.et al: "Nitric Oxide Synthese Activity in Female Dog Wethra" The Journal of Urology. 151.5. 335A (1994)
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[Publications] Burnett,A.L.et al.: "Characterization and Loculization of Nitro Oxcile Syntheseir the Human Prostate" Urology. 45.3. 435-439 (1995)
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[Publications] Takeda,M.et al.: "Effects of Nitro Oxide on,Humen and Canise Prostates" Urology. 45.3. 440-446 (1995)
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[Publications] Takeda,M.et al: "Nitric Oxcile Synthase in boy Ureshra a histchemical and pherlogical walysu" British Journal of Pharmacology. 116. 2517-2523 (1995)
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[Publications] Koyama,T. et al: "Distric buter of Nieric Oxile Synthase in the Fencle Urethra" Proceeding of 26th Annimal Meeting of International Contirere Society. 1. 119-122 (1996)
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[Publications] 斉藤泰,他: "Key Word 1997-98' 泌尿器系" 先端医学社, 240 (1996)
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[Publications] 井川靖彦,他: "The Point of Urology尿失禁排尿障害の薬物療法の現状と今後の展望" ファーマインターナショナル, 20 (1996)