1995 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリンと細胞外基質が前立腺癌の増殖,骨転移に果たす役割とその制御因子の検討
Project/Area Number |
07457369
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
川村 寿一 三重大学, 医学部, 教授 (70026839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 謙輔 三重大学, 医学部, 助手 (00230326)
有馬 公伸 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (10175995)
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Keywords | 前立腺癌 / 1,25‐dihydroxyvitamin D_3 / インテグリン / アンドロゲン / 前立腺癌抗原 / 細胞増殖 / 活性炭処理血清 / 骨髄細胞 |
Research Abstract |
前立腺癌の1,25‐dihydroxyvitamin D_3(1,25(OH)_2D_3)療法では1)1,25(OH)_2D_3は前立腺癌細胞株LNCaPで前立腺特異抗原の産生を増加させる、2)1,25(OH)_2D_3は前立腺癌細胞株LNCaPを増殖させるという問題点が過去に提起されており(Cancer Res 52:515‐520,1992)、これらの点が1,25(OH)_2D_3を前立腺癌の治療に用いるのを妨げていた.したがって、この問題の解決が前立腺癌での1,25(OH)_2D_3療法の前提となった.まず、PSA増加の説明では1,25(OH)_2D_3によりLNCaPは細胞増殖が抑制され、その結果、細胞あたりの培地より得られる栄養が対照に比べ増大することがわかった.第二の問題点では1,25(OH)_2D_3を用いる場合、培養に用いる血清をCharcol処理する.この操作で細胞培養培地中のlipidsが失われる.この条件下では1,25(OH)_2D_3はlipidsとして細胞増殖に利用されることが判った.以上の結果は1,25(OH)_2D_3もしくはその誘導体は前立腺癌の治療に十分利用されうることを示している. 平成8年度は、1,25(OH)_2D_3が前立腺癌でintegrinsの発現をいかにmodulationするのかを検討する.このための分子生物学的な方法についてはすでに平成7年度に終了しており、1,25(OH)_2D_3で発現がmodulationされる前立腺癌のintegrinsをscreeningしているところである.またbone marrow stroma cellsとのco‐cultureで骨転移を起こすLNCaPのsublineおよびAndrogen‐insensitive LNCaPも開発中で、これらの細胞でのインテグリンの発現の差異について検討可能と思われる。
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[Publications] 山下敦史ほか: "前立腺癌の臨床的検討-当科における最近21年間184例の成績" 泌尿紀要. 41. 447-453 (1995)
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[Publications] Hruska KA, et al.: "Recent progress in signal transduction related to bone remodeling and aging." Calcif. Tissue Int.56. S35-S38 (1995)