1996 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロン-α奏効腎細胞癌の主要組織適合抗原からみた腫瘍拒絶抗原の解析
Project/Area Number |
07457379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大西 哲郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60138724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 健一 大塚製薬(株), 微生物研究所, 主任研究員
飯塚 典男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30168059)
星 順隆 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (20057011)
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Keywords | 腎細胞癌 / インターフェロン / 主要組織適合抗原 / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
1.IFN-α感受性症例のHLA phenotypeに関する検討 進行性腎細胞癌症例を対象にIFN-α療法を施行してきた症例の内、PRもしくはCRになった奏効症例37例に関して、患者本人の承諾の基、末梢血を採取し、HLA class Iおよびclass II抗原phenotypeを検討した。さらに、未治療腎細胞癌97例に対しても患者の承諾の基、同様の検討を行った。対照には健常日本人のHLA抗原panelを用いた。その結果、1)未治療腎細胞癌では、6抗原(B35,Bw48,Bw60,DRw6,DRw8,DR9)の発現率が対照に比較して有意低かった。さらに、2)IFN-α感受性症例では、これら6抗原中、3抗原(B35,Bw48,DR9)の発現が、未治療腎細胞癌および対照に比較して有意に発現率が高かった(Int.J.Urol.,1996;3:435-440)。これら2項目の結果から、腎細胞癌ではある特異的HLA抗原の発現がIFN-α投与に伴う効果と関連することが示唆された。さらに、IFN-α投与により賦活化された自己免疫担当細胞が自己HLA抗原認識の際、よりbinding motifの高い、3抗原が少なくとも存在し、本研究のend pointであるtumour-rejecting antigen(s)(TRA)の存在を示唆したものと考えられた。今後、これらIFN-α感受性症例を対象にTRAの解析を行う予定である。 2.TNF gene polymorphismと予後 患者本人の承諾の基、60例の腎細胞癌患者末梢血から採取したgenomic DNAの解析から、HLA class III lociがcodeするTNF-β gene polymorphismと予後との関連を検討した。その結果、TNF-β 1 homozygoteが他のzygoteに比較して有意に生存率良好であった。今後、TNF-β 1 homozygote症例がTNF-β high producerであるか否かの検討を進める予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tetsuro Onishi: "Phenotype Prequency of Human Leukccyte Antigens in Japanese Patients with Renal Cell Carcinoma Who respended to Interferon-α Treatment" International Journal of Urology. 3. 435-440 (1996)
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[Publications] 大西哲郎: "マウス自然発生腎細胞癌に対するInterleukin-12の抗腫瘍効果に関する検討" 日本泌尿器科学会雑誌. 87. 1175-1182 (1996)
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[Publications] 大西哲郎: "Chromophobe cell renal carcinomaの臨床病理学的検討" 日本泌尿器科学会雑誌. 87. 1167-1174 (1996)
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[Publications] 大西哲郎: "腎細胞がんの再発に関する臨床病理学的検討" 腎泌予防医誌. 14. 14-17 (1996)
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[Publications] 大西哲郎: "腫瘍径の小さな腎細胞癌の臨床病理学的特徴" 日本泌尿器科学会雑誌. 87. 660-666 (1996)
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[Publications] 大西哲郎: "Urological Nursing" 朝日俊彦,筧義行,小松,浩子,島田憲次,福井準之助,南出成子,林正健二, 106 (1996)
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[Publications] 大西哲郎: "エッセンシャル泌尿器科学" 大島,博幸、河邊香月、河村信夫、高崎悦司、藤目真, 394 (1995)