1997 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法による妊娠中毒症特異因子の同定とその病態との関連に関する研究
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07457384
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
倉内 修 名古屋大学, 医学部, 講師 (80195528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 栄彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (00159162)
村田 義晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80174308)
板倉 敦夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (70262897)
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Keywords | 妊娠中毒症 / 特異遺伝子 / 胎盤 / 肝細胞増殖因子 |
Research Abstract |
1.特異遺伝子クローニングの試み 正常胎盤2例と妊娠中毒症胎盤2例よりm-RNAを抽出しreverse transcriptaseでc-DNAに変換した。次に2種類のランダムプライマーを組み合わせたDifferential PCR法により中毒症胎盤においてのみ発現しているm-RNAを検索した。その結果妊娠中毒症のみに見られたバンド2個(T1、T2)が得られた。T1、T2をプローブとして正常胎盤(2例)及び中毒症胎盤(2例)より抽出したm-RNAを用いてNothern blottingを行い、この遺伝子が中毒症胎盤においてのみ発現していることの確認を試みたが、正常胎盤、中毒症胎盤ともにバンドは認められなかった。この原因としては、切り出したバンド(T1、T2)のサイズが約100kbと短かったことが考えられる。Differential PCR法による遺伝子増幅には、このような問題があることがわかった。 2.妊娠中毒症胎盤におけるHGF遺伝子の発現 そこで、妊娠中毒症胎盤において特異的にその発現が低下していると考えられる遺伝子につきその発現を検討することとした。種々の増殖因子を中心に妊娠中毒症胎盤においてその発現を検討したところ、肝細胞増殖因子(HGF)遺伝子の発現とHGF蛋白量がともに特異的に低下していた。またin situ hybridization法によりHGFは胎盤の間質細胞に発現していることが明らかとなった。 3.HGFの発現低下と妊娠中毒症発症との関連 妊娠中毒症では、胎盤絨毛の子宮筋への侵潤が障害されていることが知られている。そこでHGFが絨毛細胞の侵潤にいかなる影響を及ぼすかを検討した。その結果HGFは、metalloproteinaseを誘導することにより絨毛細胞の子宮筋への侵潤を促進することが明らかとなった。したがって、HGFの発現低下は、胎盤絨毛の子宮筋への侵潤障害を引き起こし、妊娠中毒症を発症させる可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Furugori, O.Kurauchi et al.: "Levels of hepatocyte growth factor and its messenger ribonucleic acid in uncomplicated pregnancies and those complicated by preeclampsia." J.Clin.Endocrinol.Metab.82. 2726-2730 (1997)
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[Publications] A.Itakura, O.Kurauchi et al.: "Human amniotic fluid motogenic activity for fetal alveolar type II cells by way of hepatocyte growth factor." Obstet.Gynecol.89. 729-733 (1997)
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[Publications] A.Itakura, O.Kurauchi et al.: "Involvement of hepatocyte growth factor in formation of brocho-alveolar structure in embryonic rat lung in primary culture." Biochem.Biophys.Res.Commun.24. 98-103 (1997)
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[Publications] S.Morikawa, O.Kurauchi et al.: "Increased mitochondrial damage by lipid peroxidation in trophoblast cells of preeclamptic placentas." Biochem.Mol.Biol.Int.41. 767-775 (1997)