1996 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌の抗癌剤・温熱感受性とその耐性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07457397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
斎藤 等 福井医科大学, 医学部, 教授 (90079898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 秀明 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (90236927)
杉本 千鶴 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80283183)
野田 一郎 福井医科大学, 医学部, 助手 (60283181)
藤枝 重治 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (30238539)
大坪 俊雄 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (10223877)
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Keywords | 頭頸部癌 / 抗癌剤感受性 / 抗癌剤耐性 / 温熱療法 / P糖蛋白 / ATP法 / アポトーシス / CDDP |
Research Abstract |
(1)ヒト咽頭癌由来のKB細胞を用いて、細胞内グルタチオン(GSH)量とCDDP感受性との関係を研究した。その結果、BSOでGSHを減少させると細胞死は増加し、ネクローシスが優位となり、OTZでGSHを増加させると、アポトーシスが優位となった。 (2)温熱療法と抗癌剤との併用相乗効果を研究した。CDDPは温熱との併用効果を示したが、それは臨床上多い低温熱(42°C)では同時併用が最も良いことが判明した。同様の効果はPeplomycinでもみられた。並列併用の場合は、44°C,30分の温熱に続いてCDDPを投与する方法が最も殺細胞効果があった。その効果は細胞内のPtの取り込み量の増加であった。 (3)ヒト上顎癌細胞株を用いて、CDDPの感受性を規定する4因子、薬剤取り込み、薬剤排泄、DNA-Pt結合、DNA修復、を検討したところ、個々の細胞株における、heterogeneityの存在が明らかにたった。 (4)近年、新しい耐性機構としてアポトーシス耐性が登場してきた。そこでアポトシスを誘導するFas抗原およびそれを抑制するBcl-2の発現を免疫組織学的に検討した。その結果、Fas陽性・Bcl-2陰性例では、CDDP,ADM,MMCすべてにMTT assayで感受性陽性であった。Bcl-2(+)例にアンチセンスを導入すると,CDDPの感受性が増大した。抗癌剤耐性克服にアンチセンス遺伝子療法の可能性が示唆された。 (5)ヒト上顎癌細胞株において、rG-CSF投与によって、癌細胞浸潤効果が増強され、G-CSFレセプターの存在が示唆された。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Ohtsubo,T.: "In vitro effect of hyperthermia with cisplatin or 254-S on human gingival carcinoma cell line Ca-9-22" J Exp Clin Cancer Res. 15・1. 37-42 (1996)
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[Publications] Ohtsubo,T.: "Effect of heat-drug sequences on thermoenhancement and uptake of cis-DDP in human pharyngeal carcinoma" Anticancer Res. 16. 297-300 (1996)
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[Publications] Sugimoto,C.: "In volvement of intracellular glutathione in induction of apoptosis by cisplatin in a human pharyngeal carcinoma cell line" Anticancer Res. 16. 675-680 (1996)
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[Publications] Ohtsubo,T.: "Application of the ATP-bioluminescence assay to thermosensitivity testing for head and neck cancer" Eur Arch Otorhinolaryngol. 253. 278-282 (1996)
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[Publications] Ohtsubo,T.: "Effects of sequence and temperature of hyperthermia and peplomycin on human pharyngeal carcinoma KB cells in vitro" Neoplasma. 43・3. 179-183 (1996)
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[Publications] Ohtsubo,T.: "In vitro effect of hyperthermia on chemoenhancement and uptake of cisplatin in human pharyngeal carcinoma KB cells" Chemotherapy. 43. 43-50 (1997)
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[Publications] 都築秀明: "頭頚部腫瘍におけるP糖蛋白の発現の検討(第二報)" 頭頸部腫瘍. 22・1. 1-6 (1996)
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[Publications] 田中信之: "頭頚部癌細胞株におけるCDDP感受性に関する基礎的研究" 頭頸部腫瘍. 22・1. 13-17 (1996)
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[Publications] 野田一郎: "上顎癌細胞の浸潤に対するG-CSFの影響" 頭頸部腫瘍. 22・1. 24-28 (1996)
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[Publications] 杉本千鶴: "癌細胞におけるアポトーシス" 頭頸部腫瘍. 22・3. 461-465 (1996)
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[Publications] 田中信之: "抗癌剤感受性試験ATP法の検討" 頭頸部腫瘍. 22・3. 476-481 (1996)
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[Publications] 斎藤 等: "最新癌化学療法 漆崎一朗編集" メディカルビュー社, 359 (1996)