1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457401
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
川内 秀之 島根医科大学, 医学部, 教授 (50161279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 啓介 島根医科大学, 医学部, 助手 (10263542)
加藤 太二 島根医科大学, 医学部, 講師 (20185846)
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Keywords | 鼻粘膜 / 粘膜免疫 / IgA / 経鼻免疫 / M-cell / NALT / コレラトキシン |
Research Abstract |
Balb/cマウスを用いて、免疫学的観点より鼻粘膜局所免疫反応の賦活を試み、さらには鼻粘膜下に存在するリンパ球集簇についての形態学的検討を行った。卵白アルブミンやhorseradish peroxidase(HRP)を抗原に用いて、粘膜アジュバントであるコレラトキシン(CT)と共に、点鼻にて経鼻免疫を行った結果、鼻粘膜局所免疫(IgA response)が選択的に賦活されることが証明された。すなわち、蛋白抗原(100μg)を隔日で2週間単独点鼻投与しても、鼻洗浄液中、および気管洗浄液中に有意の抗原特異的IgA抗体価は認められなかったが、CT1μgと共に点鼻投与すると、鼻洗浄液さらには気管洗浄液中に有意のIgA抗体価の上昇がみられた。しかしながら、抗原特異的IgG抗体価の上昇は有意でなかった。また組織切片の免疫染色により、CT併用群でIgA抗体価の上昇が見られたマウスでは、鼻粘膜下リンパ球集簇の周辺部にIgA抗体産生細胞の動員がみられたが、IgG抗体産生細胞の動員は見られなかった。また、リンパ球集簇周囲に抗原特異的な抗体産生細胞が同定された。さらに、鼻粘膜下に存在するリンパ球集簇を覆う上皮がM-cell様細胞であることを電顕レベルで確認した。以上の結果より、少なくともゲッシ類においては、鼻粘膜下に存在するリンパ球集簇がいわゆる粘膜免疫の誘導部位になることが示され、さらには実効部位になりうる可能性も示唆された。ゲッシ類に見られる鼻粘膜下リンパ球集簇はnasal associated lymphoid tissue(NALT)とよばれ、ヒトのワルダイエル扁桃輪に相当する器官と考えられており、今後さらに粘膜免疫におけるNALTの役割が注目される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takahiro Tanaka: "Effect of Oxatomide on Otitis Media with Effusion-An Experimental Study." Acta Otolaryngol(Stockh). 115. 532-538 (1995)
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[Publications] Hideyuki,Kawauchi: "Immune response of the nasal mucosa : possible involvement of nasal associated lymphoid tissue in the local immune response of the nose." Rhinology-A State of the Art (Proceedings of the 15th Congress of the European Rhinologic Society and the 13th International Symposium on Infection and Allergy of the Nose). 359-362 (1995)
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[Publications] 川内秀之: "鼻粘膜局所免疫応答におけるリンパ球集簇の役割についての検討" 耳鼻咽喉科免疫アレルギー. 13. 180-181 (1995)
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[Publications] Hideyuki Kawauchi: "Is endolymphatic sac (Elsac) categorized as the mucosa associated lymphoid tissue (MALT)?-A brief review on this issue-" Sendai Symposium'95. 21-23 (1995)