1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457407
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山下 敏夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (10077654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 純夫 関西医科大学, 医学部, 助手 (80257914)
土井 直 関西医科大学, 医学部, 助手 (60288826)
友田 幸一 関西医科大学, 医学部, 助教授 (50164041)
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Keywords | 単離外有毛細胞 / 単離らせん神経節細胞 / 膜電位感受性色素 / 細胞培養 / ニワトリ胚脳幹 / 蝸牛神経核 |
Research Abstract |
目的は、単離内耳細胞を膜電位感受性色素を用いて、各種刺激による膜電位微小変化を光学的測定装置(ARGUS-50/PDA)を使用し、16×16素子フォトダイオードアレイで多点同時測定し観察するものである。当初、研究計画通りにモルモット蝸牛外有毛細胞を急速単離し、その膜電位変化を多点同時測定することを試みた。しかし、外有毛細胞は脱分極の際にその形態を変化させるため、細胞周辺部において大きなアーチファクトの原因となり得ることがわかった。また種々の膜電位感受性色素を使用した結果、有毛細胞の染色性が良くないことがわかり、外有毛細胞は我々の実験系に適した細胞ではないと判断した。そこで、従来の報告では各種動物の大脳皮質表面や脳スライスなど神経細胞を用いたものが多いこともあり、平成8年5月頃から、急速単離した内耳らせん神経節細胞を使用したところ、潅流刺激による膜電位の変化をとらえることができた(この結果については既に平成8年8月、オランダ・ユトレヒトにて開催された第33回Workshop of lnner Ear Biologyにて発表した)。また、より安定した膜電位変化を計測する目的で、培養したらせん神経節細胞を使用することを試みている。現在、らせん神経節細胞の単離法、及び培養法は徐々に確立されつつあり、幾種類もある膜電位感受性色素の中で我々の実験系に最も適したものを模索中である。一方、中枢神経系においての研究についてはニワトリ胚脳幹のスライスを作製し、微小電極を使用した電気刺激によって、蝸牛神経核においての膜電位の変化が我々の実験系で測定可能であることが最近わかり、また今後マウス蝸牛のスライスの使用も試みる計画である。
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