1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457409
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安達 恵美子 千葉大学, 医学部, 教授 (60009496)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝田 淳 千葉大学, 医学部, 講師 (10239262)
古関 明彦 千葉大学, 医学部, 助手 (40225446)
佐野 信明 千葉大学, 医学部, 助手 (80196302)
谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
|
Keywords | 網膜色素上皮細胞移植 / 網膜変性症 / 拒絶反応 |
Research Abstract |
網膜変性症に対する治療は、遺伝子治療と網膜色素上皮移植および視細胞移植などの研究が進められている。われわれはこれらの治療法のうち、網膜色素上皮細胞移植に主眼を置き、この治療法の最大の問題点である免疫反応抑制に関して研究を行った。 網膜色素上皮細胞の網膜下への移植は今までも他施設で行なわれており、移植手術自体は成功し、網膜色素変性動物において視細胞の変性を抑制することがわかっている。しかし、移植後数週〜数カ月で免疫反応によると思われる細胞浸潤が起こり、移植された網膜色素上皮細胞は死滅してしまう。われわれが行った移植でも、移植後約3〜4週で蛍光眼底造影上、移植部周囲に造影剤の漏出がみられ、その後徐々に移植された網膜色素上皮細胞は死滅した。この免疫反応を抑制するため、手術方法の改良などを行ったが生存期間を延長することはできなかった。免疫抑制剤の一種であるCyclosporinを硝子体内に注入することにより、この免疫反応を抑制することに成功したが、抑制するに十分な硝子体内濃度では網膜に対する毒性が強く使用できないことが電気生理学的検査および組織学的検査により明らかになった。免疫抑制効果があると思われる、ICAMl抗体、LFAl抗体、CCAM抗体などでは電気生理学的検査および組織学的検査において、網膜に対する毒性は認められなかったが、網膜色素上皮細胞移植における拒絶反応の抑制効果は確認するに至らなかった。しかし、これらの抗体による免疫抑制の効果は他の実験により確認されており、今後網膜色素上皮細胞移植の免疫反応抑制に、応用されることが期待される。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 安達恵美子: "臨床応用のためのScotopic VECPの記録条件" 眼科紀要. 46. 504-508 (1995)
-
[Publications] 川端秀仁: "Flash VECPによる青錐体の波長感度測定とその臨床応用" 眼科紀要. 46. 535-539 (1995)
-
[Publications] 溝田淳: "杆体優位網膜のoff応答" 眼科紀要. 46. 546-550 (1995)
-
[Publications] 村山耕一郎: "MEWDSにおける視神経障害" 神経眼科. 12. 170-176 (1995)
-
[Publications] 安達恵美子: "網膜・視神経移植" 日本眼科学会雑誌. 100. 921-922 (1996)
-
[Publications] 坂中進: "後極部型網膜色素変性の臨床像と電気生理学的考察" 日本眼科学会雑誌. 100. 50-54 (1996)