1995 Fiscal Year Annual Research Report
生体分解性高分子を用いた硝子体内薬物放出制御システムの開発
Project/Area Number |
07457411
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小椋 祐一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70191963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 直之 京都大学, 医学研究科, 助手 (70263069)
喜多 美穂里 京都大学, 医学研究科, 助手 (00252453)
谷原 秀信 京都大学, 医学研究科, 講師 (60217148)
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Keywords | ポリ乳酸 / ポリグリコール酸 / 生体分離性高分子 / 硝子体 / 網膜 / ガンサイクロヴィル |
Research Abstract |
我々は、サイトメガロウィルス網膜炎に対する治療薬であるガンサイクロヴィルを含有する、数種の生体分解性高分子からなる強膜プラグを作成し、その薬剤徐放性をin vitro,in vivoの両方で検討した。 はじめに、ポリ(DL-乳酸)からなる分子量の異なるもの2種類、ポリ(乳酸-グリコール酸)共重合体で組成比率、分子量の異なるもの4種類の計6種類を基剤とし、ガンサイクロヴィルを10%含有した強膜プラグを鋳型圧縮法にて作成した。これらのプラグのin vitroでのガンサイクロヴィル放出量を分光光度計で測定したところ、3週間から6か月放出を続けた。分子量が大きいほど、またグリコール酸の比率が小さいほど長期間放出する傾向がみられた。次に、平均分子量121000のポリ(乳酸-グリコール酸)にガンサイクロヴィルを異なった比率で含有させて薬剤放出をみたところ含有率が低いほど長期間放出を続けた。in vitroの結果より、分子量121000のポリ(乳酸-グリコール酸)を基剤とし、ガンサイクロヴィルを重量比で25%含有した強膜プラグを家兎眼でのin vivoの実験に使用した。高速液体クロマトグラフィーを用いて薬剤濃度を定量したところ、家兎眼硝子体中では12週間、網膜および脈絡膜では20週間にわたって治療有効域に維持された。 電気生理学的および組織学的検査では、眼球組織に毒性は検出されず高分子強膜プラグの生体適合性も良好であった。 まとめると、生体分解性高分子の分子量を調節したり、薬剤の含有量を変化させることにより強膜プラグからの薬剤の放出を制御することが可能であった。生体内では、薬剤を長期間にわたり効率よく硝子体腔に除放させ、毒性も認められず、臨床応用可能な薬剤放出制御システムと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hashizoe, M, et al: "Implantable biodegradable polymeric device in the treatment of enperimental proliferative viereoretinopathy" Current Eye Research. 14. 473-477 (1995)
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[Publications] Kunou, N 他: "Controlled ineraocular delivery of ganciclovir with use of bio degradable scleral implant in rabbits" Journal of Controlled Release. 37. 143-150 (1995)