Research Abstract |
1. 基礎実験-PCR法で検出可能なDNA量の特定- 方法はショ糖密度勾配(20%〜60%勾配)遠沈法によって精製したHSV-1(CHR3株)10^8PFU/mlより抽出したウイルスDNA20μg/mlをlog希釈して,その10μ1をtemplateに供した。次に,HSV-1 DNA polymerase遺伝子に対応するprimerを用いて,PCR法を行った。 denatureを90°C,1分30秒,annealing65°C,2分,extension72°C,2分に設定して,35サイクル行った。そして型通りHSV-1 DNAを観察した。 以上の結果,single PCR法で,0.2ngのDNAが抽出可能であり,これは400PFUに相当した。 2. マウスを用いたPCR法の定量化実験 BALB/Cマウスの両眼角膜を27ゲージ針で乱切し,HSV-1(CHR3株)25μ1(5x10^3PFU)を両眼角膜に接種した。2,4,6,8日後にマウスに屠殺し,眼球,三叉神経節,涙腺を摘出した。これらを乳濁化し,遠沈上清を採取した。採取上清を2分し,1部をtitration,1部をPCR法に供して,定量化した。 titrationの結果,涙腺では10^2のorderで検出できたが,眼球,三叉神経節に比べると低値であった。DNAの定量に関しては,感染2日目から眼球にDNAが出現し,徐々に低下した。この結果はtitrationの結果と同様であった。しかし,三叉神経節と涙腺においては,2日目にはDNAは検出不能であったが,4日目から出現し,6日目には減少していた。8日目には検出限界以下であった。 以上の結果から,マウスの実験系においてPCR法の定量化が可能であった。
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