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1997 Fiscal Year Annual Research Report

口腔扁平上皮癌の発生・進展・予後に関する分子病理学的研究

Research Project

Project/Area Number 07457429
Research InstitutionHIROSHIMA UNIVERSITY

Principal Investigator

二階 宏昌  広島大学, 歯学部, 教授 (60028735)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮内 睦美  広島大学, 歯学部, 助手 (50169265)
伊東 博司  広島大学, 歯学部, 助手 (20184682)
小川 郁子  広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (70136092)
高田 隆  広島大学, 歯学部, 助教授 (10154783)
Keywords口腔扁平上皮癌 / p27^<kip1> / CD44 / 予後 / 転移
Research Abstract

口腔扁平上皮癌(OSCC)の発生・進展・予後に関わる因子のなかから、今年度は主にcyclin/cyclin dependent kinase(CDK)活性の阻害蛋白ならびに細胞接着分子について検討し、以下の知見を得た。
1.正常な口腔扁平上皮細胞でG1期およびG1/S期での細胞周期の進行を調節しているcyclin/CDK阻害蛋白p27の発現をOSCCと上皮異形成症例を用いて免疫組織化学的に検索し、OSCCの発生・進展ならびに予後への関与を検討した結果、p27蛋白の発現は、上皮異形成ではまだ保たれているのに対して、OSCCでは大部分の症例で低下消失がみられた。本蛋白の発現の低下消失は、病期、転移の有無とよく相関し、予後の不良とも関係していたことより、p27蛋白発現の低下消失は、OSCCの発生と進展に関与し、予後判定因子として有用であることが示された。
2.p27蛋白発現の低下消失の機序をOSCC培養細胞株を用いて分子生物学的に検討した結果、遺伝子レベルでの異常はなく、p27蛋白の翻訳後の分解促進が主な原因であることが示唆された。proteasome阻害剤の添加によりp27蛋白の発現が増強することから、p27蛋白の発現低下へのproteasomeによる分解の関与が明らかとなった。
3.2と同様の実験でproteasome阻害剤を加えることにより、p27蛋白の発現が増強するとともに細胞の多くがアポトーシスに陥ったことより、p27蛋白の過剰発現がアポトーシスの誘導にも関わる可能性が示唆された。
4.OSCCにおける細胞接着分子CD44 variant 9(v9)の発現状況を免疫組織化学的に調べ、臨床病理学的因子との関連を検討した結果、半数以上の症例でCD44v9発現の低下が認められ、発現が低下していた症例ではリンパ節転移率が有意に高いとともに、予後がより不良であった。従って、OSCCでのCD44v9の発現低下は癌細胞の原発巣からの離脱や転移に関与し、予後判定因子として有用であると考えられた。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 小川 郁子: "舌扁平上皮癌におけるp53およびbcl-2蛋白の発現-放射線治療効果との関連について-" 日本病理学会会誌. 86・1. 222-222 (1997)

  • [Publications] 工藤 保誠: "口腔扁平上皮癌におけるp27^<kip1>の発現とその意義" 歯科基礎医学会雑誌. 39・補. 132-132 (1997)

  • [Publications] 宮内 睦美: "舌扁平上皮癌におけるCD44V9の発現に関する検討" 歯科基礎医学会雑誌. 39・補. 136-136 (1997)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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