1995 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝における骨細胞(osteocyte)の機能解析とその重要性に関する研究
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07457431
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
久米川 正好 明海大学, 歯学部, 教授 (40049367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真野 博 明海大学, 歯学部, 助手 (20265359)
羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 助教授 (90164772)
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Keywords | 骨細胞 / カルシウム受容体 / 破骨細胞抑制因子 |
Research Abstract |
I骨細胞に発現されるカルシウム受容体(CaSR)の解析 本年度、我々は、生化学的・遺伝子工学的手法により骨細胞におけるCaSRの存在を検討した。その結果、培養骨細胞および頭蓋冠中の骨細胞に、CaSRタンパク質が発現していることを抗CaSR抗体を用い明らかにした。さらに、骨細胞を含む未分画全骨細胞、また、骨細胞のみを含む骨片ではCaSRmRNAを検出できたが、株骨芽細胞、破骨細胞にはCaSRmRNAを検出できなかった^<1)>。このことから、骨細胞はCaSRを発現し、Caのシグナルを感知、応答していることが考えられた。しかし、骨細胞のCaSRの役割については不明である。 II骨細胞による成熟破骨細胞の活性抑制 我々は、ニワトリ胚の頭蓋冠から単離した骨細胞を用いて、破骨細胞の骨吸収機能における骨細胞の役割を解析した。まず、骨細胞を単離破骨細胞と象牙片上で共培養したところ、破骨細胞による吸収窩形成は、骨細胞の添加数に依存的に抑制されることが明らかになった。 この骨細胞由来の骨吸収抑制因子を、ニワトリ胚の頭蓋冠を材料として精製し、18.5kDaの分子量を示す活性蛋白質を得ることができた。この18.5kDa蛋白質は、マウスおよびウサギ長管骨由来の全骨細胞、さらにヒト巨細胞腫由来細胞を用いた系において、いずれも顕著な吸収窩形成抑制活性を示した。また、ウサギ単離破骨細胞を用いた系においても破骨細胞の骨吸収機能を抑制したことから、18.5kDa蛋白質は破骨細胞に直接作用すると考えられる。われわれは,本蛋白質のN末端25アミノ酸の配列を決定し、低分子量G蛋白質RhoとGTPの結合を抑制する細胞内蛋白質であるRho-GDIの一部と68%の相同性を示すことを明らかにしたが、残念ながら、全アミノ酸配列の同定には至っていない^<2)>。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y. Honda, M. Kumegawa et al.: "Calcium-sensing receptor in osteocytes" J. Bone Miner. Res.10. S154- (1995)
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[Publications] A. Maejima, M. Kumegawa et al.: "Osteocytes produce osteoclastic bone-resorption inhibitory factor" J. Bone Miner. Res.10. S222- (1995)