1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457460
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSTIY |
Principal Investigator |
中島 美砂子 九州大学, 歯学部, 助手 (20207773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 康治 九州大学, 歯学部, 助手 (00170473)
赤峰 昭文 九州大学, 歯学部, 教授 (00117053)
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Keywords | 骨形成因子(BMP) / TGF-βスーパーファミリー / 歯髄創傷治癒 / 象牙質形成 / RT-PCR / in situハイブリダイゼーション / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
今回の研究では、歯髄創傷時の治癒過程において、歯髄細胞が象牙芽細胞に分化し、修復象牙質を形成するメカニズムを解明すべく、「象牙質形成因子」の遺伝子のクローニングを試みた。象牙質形成因子は異所性の骨化を誘導するBMP活性を有し、TGF-βスーパーファミリーに属すると考えられる。したがって、3´末端部の約130のアミノ酸配列に類似が認められることを利用して、3´側24種類のプライマーを用いてPCRを行った。テンプレートとしては、4週令ラット切歯歯髄より分離したmRNAからSuperScript reverse transcriptaseを用いて合成したfirst strand cDNAを用いた。アガロースゲル電気泳動を行い増幅されたDNA、サイズ280-300bpのバンドを切り出しDNAを精製し、TA cloning kit(Invitrogen)を用いて大腸菌に形質転換した。ホワイトコロニーを拾い上げ、96穴プレートに培養し、BMP-2、-4、-6および-7を含む混合プローブを用いてコロニーハイブリダイゼーションを行い、既知のBMPを含むコロニーを除外した。プラスミド精製を行い、Automatic Sequencer(Pharmacia)にてAuto Cycle Sequencing法で350個のプラスミドの塩基配列を決定した。その結果、BMP-2、-4、-6および-7以外に、BMP-8、Inhibin-βB、GDF-1、-5、-6の塩基配列を持つクローンが得られた。また、ラットvgrと59%、Inhibin-βAと55%のアミノ酸配列の類似がみられる未知の遺伝子、DMP62およびDMP63が得られた。ノーザンブロット分析の結果、DMP63は歯髄および脳に強く発現していることが判明した。さらに5´RACEを行い、蛋白コード領域の全長遺伝子塩基配列を決定した。DMP63の活性部位のアミノ酸配列はヒトInhibin-βBと45%の相同性を有していた。in situ hybridizationではDMP63は象牙芽細胞層に局在性がみられ、象牙芽細胞分化との関連性が示唆された。
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