1995 Fiscal Year Annual Research Report
食塊の破壊粉砕過程と咀嚼ストロークの時系列解析-各種咬合状態の比較評価-
Project/Area Number |
07457504
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 幸弘 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50192729)
石田 哲也 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (80211043)
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Keywords | 各種咬合状態 / 食塊 / 破壊粉砕過程 / 咀嚼ストローク |
Research Abstract |
咬合の動態を追究することは、歯科医学の最重要課題であり、これに対して研究代表者らは、近年の科学研究費の助成により一連の検討を加えてきた。特に、本年度は、食塊の破壊粉砕過程と関連した咀嚼運動のメカニズムを詳細に追究せんとする研究目的に対して成果を挙げることができた。 すなわち、まず、食塊の破壊粉砕過程に最も重要な力学的媒介変数として、剪断ひずみエネルギーに着目し、咬合終末期における咬合状態とそのエネルギーの発生効率との関連性を模型上での力学的シミュレーションにより確認した。さらに、その発生効率に関与するものとして、咬合終末期における顎運動の側方成分を取り上げ、これもまた計算機上でのシミュレーションにより顎運動パターンの力学的最適性を明らかにした。つぎに、実際の外来患者ならびに被験者から採取した資料により、不正咬合状態と咀嚼運動パターンとの間における関連性を見出すことができ、それは、有限要素法非線形動解析による計算力学的シミュレーションから、咀嚼の効率を高めるような生体における補償機構であるものと解釈された。さらに、それらの顎運動を調節する神経筋機構として口唇感覚に着目し、被験者への表面麻酔による実験を通じてその関与の様相を明らかにした。 これらの実績は、第7回および8回日本顎口腔機能学会において「ヒト顎口腔機能に関与する口唇感覚の生理学的検討」、第3回顎顔面バイオメカニクス学会において「食塊モデルにかかる咬合エネルギー」として発表し、来る第9回日本顎口腔機能学会において、「咬合終末期における食塊破壊の力学的シミュレーション-咬合エネルギーを媒介として-」、ならびに「咬合終末期における顎運動パターンとその咬合状態」として、発表予定のものである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 篠崎直樹: "感圧導電ゴムを用いた圧力センサの改良-咬合面形態への適合性に対して-" 日本顎口腔機能学会雑誌. 第2巻. 57-63 (1995)
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[Publications] 久野昌隆: "食塊モデルにかかる咬合エネルギー第2報" 第3回顎顔面バイオメカニクス学会学術大会講演論文集. 第3巻. 48-50 (1995)
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[Publications] 佐々木啓真: "ヒト顎口腔機能に関与する口唇感覚の生理学的検討" 日本顎口腔機能学会. 第3巻(発表予定). (1996)