1996 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性オリゴ糖鎖を志向したグリコシル化反応の設計と合成戦略に関する研究
Project/Area Number |
07457517
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
橋本 俊一 北海道大学, 薬学部, 教授 (80107391)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北垣 伸治 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20281818)
中村 精一 北海道大学, 薬学部, 助手 (90261320)
渡辺 信英 北海道大学, 薬学部, 助手 (80220911)
中島 誠 北海道大学, 薬学部, 講師 (50207792)
|
Keywords | オリゴ糖鎖 / 含リン脱離基 / エーテル保護糖 / アシル保護糖 / ジエチルホスファイト / グリコシド / 立体選択性 / グリコシル化反応 |
Research Abstract |
1.我々は現在までに含リン脱離基を基盤とし、高収率、高立体選択的且つ操作性に優れたグリコシル化反応を達成している。しかし、なおリン原子の修飾は多くの可能性を残している上に、対象とした糖の種類も少ない。そこで、糖の種類を広げると同時に、リン原子の修飾による新たな糖供与体の開発研究の一環として3価のリンであるホスファイトを脱離基とするグリコシル化反応を検討した。その結果、ジエチルホスファイトを脱離基として組み込んだ糖供与体を基盤とし、隣接基関与を伴う系はもとより伴わない系においても高立体選択的1, 2-トランス-β-グリコシド構築を達成することができた。本法は、隣接基関与を伴わないグリコシル化反応としては文献上知られる最も高いβ-選択性を示す。さらに、脱離基としてのホスファイトの特徴を活かし、2-デオキシ-β-グリコシドの直載的構築法を開発することができた。 2.我々がこれまでに開発したジフェニルホスフィンイミダ-ト、ホスホロジアミドイミドチオアート、およびビス(ジメチルアミド)ホスファートを組み込んだ各糖供与体は、反応性の違いを反映して各々に特徴ある反応条件の設定を可能にする。実際、これらの脱離基を組み込んだ各糖供与体を駆使することにより、エーテル保護糖とアシル保護糖の反応性の差を利用した"armed/disarmed"糖供与体概念によるオリゴ糖鎖構築を達成したばかりではなく、ビス(ジメチルアミド)ホスファートを組み込んだ糖供与体を"disarmed"糖供与体に設定することにより各脱離基の反応性の差にも特徴を持たせた新しい展開に向けての見通しを立てることができた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 橋本俊一: "An Extremely Mild and Stereocontrolled Construction of 1, 2-trans-β-Glycosidic Linkages Capitalizing on Benzyl-Protected Glycopyranosyl Diethyl Phosphites as Glycosyl Donors." Tetrahedron Letters. 36. 2251-2254 (1995)
-
[Publications] 橋本俊一: "An Attempt at the Direct Construction of 2-Deoxy-β-glycosidic Linkages Capitalizing on 2-Deoxyglycopyranosyl Diethyl Phosphites as Glycosyl Donors." Synlett. 1271-1273 (1995)
-
[Publications] 橋本俊一: "An Extremely Mild and General Method for the Construction of 1, 2-trans-β-Glycosidic Linkages via Glycopyranosyl Diethyl Phosphites with Participating Groups at C-2." Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 43. 2267-2269 (1995)
-
[Publications] 飯森隆昌: "A Mild and Rapid Glycosylation Reaction between Pyrimidine Bases and 2-Deoxyribofuranosyl N, N, N', N'-Tetramethylphosphoroamidates." Heterocycles. 42. 485-488 (1996)
-
[Publications] 橋本俊一: "含リン脱離基を基盤とする高選択的グリコシル化反応" 有機合成化学協会誌. 53. 620-632 (1995)
-
[Publications] 橋本俊一: "オリゴ糖鎖合成の新戦略" ファルマシア. 32. 1375-1380 (1996)