1995 Fiscal Year Annual Research Report
不斉ニトロオレフィン化反応の改良と新規不斉合成素子の開発研究
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07457524
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
野出 學 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (60027076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 武久 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (50176434)
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Keywords | 不斉ニトロオレフィン化反応 / 不斉ニトロエナミン / 光学活性ニトロオレフィンラクトン / エキソ選択的Diels-Alder反応 / Danishefskyジエン / 不斉全合成 / (-)-Aphanorphine / (-)-Eptazocine |
Research Abstract |
1。不斉ニトロオレフィン化反応の改良 プロリノールの水酸基にトリチル基やTBDMS基を導入した6種の新規ニトロエナミンを合成し、従来法のSMPを有するニトロエナミンを不斉反応剤とするラクトンの不斉ニトロオレフィン化反応を検討した。この結果、TBDMS基を導入した新規ニトロエナミンが不斉収率および化学収率において最も高い値を示すことが確認された。特に従来法で欠点となっていた5員環ラクトンにおける不斉収率が大幅に改善され、本不斉ニトロオレフィン化反応は5員環および6員環ラクトンのいずれのラクトン類にも適用出来るようになった。次に従来法ではラクトンエノラートが3当量以上必要であったが、反応温度を-78℃から-40℃に上げることにより2当量で収率良く進行することが明らかとなった。 2。ニトロオレフィンの新規反応性の検討 (1)ニトロオレフィンとDanishefskyジエンとのエキソ選択的Diels-Alder反応 β位に四級炭素を有するニトロオレフィンとDanishefskyジエンとの反応でエキソ付加体が優先して得られたことに着目し、各種ニトロオレフィンとの同反応を検討したところβ位の置換基が芳香族や脂肪族、およびそれらの嵩高さにかかわらず全てエキソ付加体が優先的に得られた。一方、通常のジエン類との反応ではエンド付加体が優先的に得られることから、上記反応はニトロオレフィンのニトロ基とDanishefskyジエンのシリロキシ基との静電的反発に起因すると結論された。また、本付加体をメタノール中過剰のp-TsOHを用いて過熱還流するとニトロ基の脱離したm-置換アニソール(新規芳香化)が収率良く得られることを確立した。 (2)ニトロオレフィンからオキシムへの官能基変換 各種ニトロオレフィンをPd-C触媒下、NaH_2PO_2を還元剤として反応したところ、アルドキシムへの変換は低収率であったが、ケトキシムへの変換は高収率で一般化することができた。 3。天然物および医薬品の不斉合成 上記不斉ニトロオレフィン化反応と新規芳香化反応を利用して天然アルカロイドの(-)-Aphanorphyneと合成鎮痛薬である(-)-Eptazocineの不斉合成を達成することができた。
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[Publications] Manabu Node: "An Improved Asymmetric Nitroolefination of α-Alkyl-γ- and δ-lactones with Modified Nitroenamines." Tetrahedron Letters. 36. 99-102 (1995)
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[Publications] Kiyoharu Nishide: "An Asymmetric Nitroolefination of α-Alkyl-γ- and δ-lactones with Modified Nitroenamines." Tetrahedron. 51. 10857-10866 (1995)
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[Publications] Manabu Node: "Asymmetric Syntheses of (-)-Aphanorphine and (-)-Eptazocine" Heterocycles. 42. 811-819 (1996)
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[Publications] Manabu Node: "A Formal Asymmetric Synthesis of Calabar Bean Alkaloids" Chem. Pharm. Bull.44(印刷中). (1996)