1997 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換えマウスを用いた生体レドックス制御系の生理・病態学的意義の解明
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07457530
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
内海 英雄 九州大学, 薬学部, 教授 (20101694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 和洋 九州大学, 薬学部, 助手 (10271115)
竹下 啓蔵 九州大学, 薬学部, 助手 (70175438)
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Keywords | 遺伝子組換え動物 / 電子スピン共鳴 / 抗酸化酵素 / SOD |
Research Abstract |
活性酸素や一酸化窒素等の生体ラジカルの生理機能や病態発現に関して種々の矛盾点が示唆されつつある。これらは,種々の酵素や抗酸化物質,金属から成る生体レドックス制御系がin vitro実験とは質的量的に大きく隔たることに由来すると考えられる。申請者らは,生体計測用ESR-CT装置を用いてニトロキシドラジカルをプローブとし,その消失速度の変化からマウス生体内フリーラジカル反応と酸化ストレス負荷やSOD等の抗酸化酵素,抗酸化剤添加の関係を解析してきた。更に,前年度までに遺伝子組み替え動物実験室を整備し,フリーラジカル反応関連酵素を遺伝的に欠損あるいは過剰産生したマウスを材料として生体ラジカルの生成・消失を無侵襲的に解析する準備を整えてきた。 本年度は,スーパーオキシドシスムターゼの過剰発現マウス(SOD-Tg)を用いて,1)SOD過剰発現による生理条件下での生体レドックスの変化を解析し,SOD-Tgでは胸部,上腹部において消失速度がNon-Tgに比べて有為に遅く,SOD過剰発現により細胞内レドックスが変化していることが示唆された。更に,2)低酸素・高酸素曝露により,Non-Tg頭部での消失速度は対照群に対して有為に低下したのに対し,SOD-Tgでは消失速度に有為な変化は認められなかった。また、クロロフェノール類投与によりNon-Tg上腹部で消失速度が亢進したが、SOD-Tgでは亢進は抑制された。 以上のことから,SOD過剰発現は生理条件下での生体レドックスに影響を及ぼすこと,酸化ストレス負荷により顕著にその効果が現れることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Sano,K.Matsumoto and H.Utsumi: "Synthesis and Imaging of Blood-Brain-Barrier Permeable Nitroxyl Probes for Free Radical Reactions in Brain of Living Mice" Biochem.Mol.Biol.Int.42. 641-647 (1997)
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[Publications] 韓 眞伊,竹下啓蔵,内海英雄: "生息マウス肺内のラジカル反応の無侵襲測定" 磁気共鳴と医学. 8. 47-50 (1997)
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[Publications] 竹原宏明,竹下啓蔵,津島和弘,内海英雄: "LPS刺激マウスで産出されるNOのin vivo無侵襲測定" 磁気共鳴と医学. 8. 17-20 (1997)
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[Publications] 市川和洋,内海英雄: "In vivo ESRを用いた四塩化炭素のマウスに及ぼす影響測定" 磁気共鳴と医学. 8. 44-46 (1997)
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[Publications] H.Utsumi et al.,: "Non-invasive measurement of free radical reaction in disease usingin vivo ESR-CT technique" Biophys.Med.Biol.(in press).
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[Publications] H.Utsumi et al.: "In Vivo ESR Measurement of Free Radical Reactions in Living Mice" Biodefence Mechanisms against Environmental Stress. (in press).