1996 Fiscal Year Annual Research Report
心筋CaチャンネルのCa培抗薬結合部位の同定と創薬への応用
Project/Area Number |
07457543
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 仁 熊本大学, 薬学部, 教授 (70088863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 明彦 熊本大学, 薬学部・, 教務員 (90241348)
石塚 忠男 熊本大学, 薬学部・, 助教授 (60176203)
原田 久美子 熊本大学, 薬学部・, 助手 (70150547)
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Keywords | Ca拮抗薬 / 光アフィニティラベリング / 心筋L型Caチャンネル / 薬物結合部位 |
Research Abstract |
臨床的に汎用されているCa拮抗薬のイオンチャンネル上での結合部位を分子レベルで明らかにした上で、これの基づいたドラッグデザインと合成を行い、その基礎的および臨床薬理学的検討を綿密に行うことは、より有効な循環器疾患治療薬の創製を可能ならしめる途であると考えられる。本研究はこれら薬物の心筋Caチャンネル上での結合部位を、骨格筋チャンネルと対比しながら明らかにし、得られた結果をもとに心筋に選択性の高いCa拮抗薬を創製することを目的とするものであるが、本年度得られた知見を以下に要約する。 1.代表的なCa拮抗薬であるジルチアゼム型薬物1の、骨格筋Caチャンネル上での結合部位を、立体的に小さい反応基を用いた光アフィニティラベル法で明らかにした。同定した部位はリピートIVの2箇所であり、欧米のグループが最近発表したリピートIIIとIVの2箇所であるとの結論は、立体的に嵩高い反応基を用いたための誤った結果が含まれることを指摘した。 2.平面化学構造上ではジルチアゼム型薬物に類似している点をもつが、従来のCa拮抗薬にはない薬理作用をもつ新規化合物2の光ラベル用試薬を合成し、これを用いて骨格筋Caチャンネル上での結合部位を明らかにした。それは従来のCa拮抗薬結合部位と近接した部位ではあるが、明らかに異なっていた。 3.X線結晶解析で得られた1と2の立体構造は、重なり部分がほとんどないことが判明した。この結果に基づき、2をリ-ド化合物とした新たな化合物群のデザインと合成が可能となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Hatanaka,et al.: "Synthesis of the nitro-substituted aryl diazirines" Chem.Pharm.Bull.42. 826-831 (1995)
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[Publications] H.Nakayama,et al.: "Chemical identification of the binding sites for calcium channel antagonists" Heterocycles. 42. 901-909 (1995)
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[Publications] Y.Hatanaka,et al.: "Diazirine-based photoaffinity Labeling:Chemical approach to biological interfaces" Rev.Heteroatom Chem.14. 213-243 (1996)
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[Publications] H.Nakayama,et al.: "Identification of the binding sites for calcium channel antagonists" Japn.Heart J.37. 643-650 (1996)
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[Publications] A Kuniyasu,et al.: "Identification of the 1,4-dihydropyridine binding sites within the αl subunit of the cardiac calcium channels" Eur.J.Biochem.(印刷中). (1997)
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[Publications] A.Kuniyasu,et al.: "Identification of the binding region for a new calcium antagonist within the αl subunit of calcium channels" J.Biol.Chem. (印刷中). (1997)