1996 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白活性抑制型受容体ファミリーの発現クローニングとその情報伝達の解明
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07457549
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
植田 弘師 長崎大学, 薬学部, 教授 (00145674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮前 丈明 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00239435)
福嶋 伸之 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10254161)
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Keywords | G蛋白 / アフリカツメガエル卵母細胞 / 両親媒性ペプチド / バキュロウイルス発現系 / メタボスタティック作用 |
Research Abstract |
DynAR1は明確な細胞膜貫通領域を持たない。しかしながら、アフリカツメガエル卵母細胞に発現させたDynAR1は細胞膜上に発現していることがDynAR1に対する抗体(抗N末端および抗C末端抗体)を用いて免疫組織化学的に明らかになった。また、いずれの抗体を用いた場合においても、細胞膜上における発現は卵母細胞のトリプシン処理により影響を受けなかった。これらのことから、DynAR1は細胞膜上において、細胞質側にNおよびC末端を持つトポロジーを有していると考えられる。 このようなDynAR1のG蛋白活性抑制の機構を調べるため、その両親媒性構造に着目した。両親媒性ペプチドは、G蛋白と直接連関することが知られており、DynAR1内にこの領域がDynAR1のG蛋白活性抑制に関与している可能性が考えられた。この点を検討するに先立ち、両親媒性ペプチドであるメリチン、マストパラン(いずれもハチ毒由来)を用いて実験系を確立した。バキュロウイルス発現系により昆虫細胞(Sf21)膜に種々のG蛋白(G_<i1>、G_<11>、G_S)を過剰に発現させ、[^<35>S]-GTPγS結合を指標にしてペプチドの効果を調べた。いずれのペプチドも3〜100μMの範囲において濃度依存的にG_<i1>へのGTPγS結合を促進した。G_<11>に対してはメリチンのみが促進効果を示した。こうした促進作用とは対照的に、メリチンはG_Sへの結合を抑制した。速度論的解析から、メリチンのG_S抑制作用は、G_SのGDPおよびGTPγSに対する親和性の低下によるものであることが明らかになった。これらの結果から、両親媒性ペプチドがG蛋白に対してメタボトロピックにあるいはメタボスタティックに作用することが示唆された。また、本評価系がDynAR1由来ペプチドの作用を解析するために有効であることが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Ueda: "Supersensitization of neuro chanical responses by L-DOPA and dopaur ne receptorageonists in the striatum" Biomed & Pharmacother. 49. 169-177 (1995)
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[Publications] Y.Misu: "Newrobiology of L-DOPAergic Systems" Progress in Neurobiology. 49. 415-454 (1996)
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[Publications] Y.Misu: "Neuro transm ; Her-lilce Acrous of L-DOPA" Advances in Phormacology. 32. 427-459 (1995)