1997 Fiscal Year Annual Research Report
老人がん患者のインフォームド・コンセントに関する支援方法の開発
Project/Area Number |
07457574
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
上田 慶二 東京都老人総合研究所, 神経生理部門, 研究員 (60271574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 久美子 東京都老人総合研究所, 看護学部門, 研究助手 (80228022)
七田 惠子 東海大学, 健康科学部, 教授 (80072990)
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Keywords | 老人 / 癌患者 / インフォームド・コンセント(IC) / ICと看護婦の役割 / IC支援システム / ICモニターシステム / IC支援ガイドライン |
Research Abstract |
本研究では「十分な説明にもとづいた本人の納得と同意(Informed Consent:IC)」に焦点をあて、老人癌患者にふさわしいICに向けて看護婦が医師と協同して行う支援方法の開発をめざす。 今年度は「IC支援システム」の完成を目指し、以下の2段階の研究を実施した。 1.老人癌患者の「IC支援システム」作成 昨年度までの研究成果を統合し、「IC支援システム」を完成させるために、熟練看護婦10名に対するパネル調査を実施し、その結果をもとに以下の3サブシステムを作成した。1)老人癌患者を継続的に支援していくための看護婦の役割と内容を療養プロセス段階別に整理したIC支援看護ガイドライン、2)外来受診から入院、転科、退院、再び外来通院という患者のプロセスにそって病棟単位を超えてガイドラインを確実に実行していくことをバックアップするためのシステムとしてIC患者登録&シグナルシステム、3)IC支援看護ガイドラインを実施したことでの成果を評価するとともに、支援のための個別プランの質の向上をはかることを目的に、説明の十分さ、理解度、納得度などを患者に経時的に自己評価してもらい、それをIC検討委員会でモニターしていく「ICモニターシステム」を作成した。 2.老人癌患者の「IC支援システム」の実証分析 都内のT老人専門病院において上記システムを導入し老人癌患者19ケースに試行し、検証のために1)プロセス評価(支援実施状況、実施内容)、2)アウトカム調査(患者自己評価、看護婦調査)を実施した。1)、2)ともほぼ良好な結果がえられ、今回作成した「IC支援システム」の有効性が確認された。同時に、1)の結果からIC支援のためのスタッフ教育の重要性が問題提起された。今後、「IC支援システム」の定着をはかりつつ、より効果的に質の高いIC支援を実施できるための「IC支援の教育システム」の開発が課題である。
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