1995 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎におけるウイルス内部抗原に対する細胞性免疫応答の解析
Project/Area Number |
07457593
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
各務 伸一 名古屋大学, 医学部, 講師 (10115545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 正弘 名古屋大学, 医学部, 医員
奥村 明彦 名古屋大学, 医学部, 医員
岩田 和郎 名古屋大学, 医学部, 医員
吉岡 健太郎 名古屋大学, 医学部, 助手 (60201852)
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Keywords | 細胞障害性Tリンパ球 / 肝細胞障害 / HLA拘束性 / B型慢性肝炎 / B型急性肝炎 / 末梢血リンパ球 / 肝内浸潤リンパ球 / 細胞障害性試験 |
Research Abstract |
B型肝炎ウイルス(HBV)による肝細胞障害はHLA拘束性の細胞障害性T細胞(CTL)により惹起されることが知られている。今回我々はHLA-A2を有するB型慢性肝炎(CH)患者10例とB型急性肝炎(AH)患者1例を対象とした。adr typeのcore領域アミノ酸配列をもとにA2のbinding motifを含んだ5種類のペプチドを合成し、末梢血リンパ球(PBMC)または肝内浸潤リンパ球(LIL)に加え、2週間in vitro刺激した。LILは肝生検時の組織片より分離した。EBVで形質転換した患者自身のB cell lineを作製、各ペプチドと一晩培養し、targetとした。T細胞クローンは、細胞障害性を認めたPBMCまたはLILから限界希釈法に従って作製し、各ペプチド、IL2による反復刺激を行った。各患者のPBMCに2週間のin vitro刺激を行った後CTL assayを行い、上記のペプチド混合物に対し、肝機能の急性増悪を認めたCH1例に5.2%、AH例には4.0%の細胞障害性を認めた。細胞障害性を認めたCH例でPBMCとLILからT細胞クローンの樹立を試み、PBMCから13クローン、LILから1クローンを得た。PBMC由来の13クローン中5クローンがペプチド混合物に対し10%以上の細胞障害性を示した。5クローン中3クローンはCD8_+、1クローンはCD4_+、1クローンは不明であった。LILから得られた1クローンはCD8_+で、同様に22.9%の細胞障害性を示した。10%以上の細胞障害性を示したPBMC由来の5クローンのうちCD8_+の1クローンについて各々のペプチドに対する細胞障害性を測定した結果、coreシークエンス107-115のペプチドに対し14.5%と最も高い細胞障害性を得た。以上、CHの殆どの症例においてPBMC中にもLIL中にもcore抗原特異的CTLの数は極めて少なく、細胞障害活性も低いと思われた。
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