1996 Fiscal Year Annual Research Report
ODC遺伝子の発現と腸上皮細胞の異形成に関する研究
Project/Area Number |
07457594
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
馬場 忠雄 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40079819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻川 知之 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80273407)
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Keywords | 大腸癌 / ODC / トランスフェクション |
Research Abstract |
大腸ポリ-プにおいては、細胞の異型度が増すとともに発癌遺伝子の過剰発現や癌抑制遺伝子の欠失が認められているが、この異型度が増加するにつれて細胞内ODC活性も増加することが知られている。しかし異型度の低い大腸上皮細胞にトランスフェクッションにてODC遺伝子を過剰発現させたとき、細胞の異型度が変化し癌化をきたすか否かは明らかではなく、現在実験中である。 正常なODC遺伝子では発現させても変化が認められにくいため、まず大腸癌のなかでODC活性の非常に高い癌を選び出し、ODC遺伝子のミュータントが確認されればこの変異ODC遺伝子を用いてトランスフェクションを行う予定である。 ヒト大腸患者より得られた生検組織を液体窒素で凍結保存した後、適当なバッファーでホモジェナイズし、その蛋白抽出液よりODC活性をRIにて、またTCAにて除蛋白した上清よりポリアミンをオートサンプラーを用いたHPLCにて測定している。今までの検討では正常粘膜組織より腺腫性ポリ-プが、さらに大腸癌ではより高いODC活性を示すものの、約2倍以内であり変異ODC遺伝子をもつ大腸癌細胞を見出すことが困難となっている。今後スクリーニングの効率を上げるため、RT-PCR,SSCPを用いる予定である。また今までの報告よりPEST領域を含むC末端の欠如したODC蛋白はアンチザイムによる分解を受けにくいため、ODCcDNAの3´側を500bp切断したcDNAを用いた実験も行う。 発現ベクターについては従来のベクターではトランスフェクションの効率があがらないこと、またODC発現が一定しないため、IPTGにより誘導される高度なシステムに変えて実験を継続している。
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