1995 Fiscal Year Annual Research Report
アジアのエスニック料理における香辛料利用の健康的意義
Project/Area Number |
07458002
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
久保田 紀久枝 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (90008730)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 清 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助手 (00262353)
村田 容常 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (60210051)
|
Keywords | エスニック料理 / コショウ / ニンニク / 抗酸化活性 / 抗高脂血症活性 / ジアリルスルフィド / 7-アセトキシチャビシルアセテート / 2,4-デカジエン酸 |
Research Abstract |
本年度は、香辛料を食品素材として位置づけ、その生理機能について系統的、総合的に評価するための基礎データを得ることを目的としている。試料として、エスニック料理ではベースとなる香辛料であるコショウ、ニンニク、ショウガ類などを用い、まず活性成分の分離方法および活性測定方法を確立し、次のような結果を得た。 ショウガ科ガランガル(カ-)根茎のメタノール抽出物について、日本産ショウガやウコンと比較した結果、ウコンより強く、ショウガより若干弱いがほぼBHAに相当する活性が認められた。主要活性成分として7-アセトキシチャビシルアセテート(I)およびアセトキシオイゲノールを分離、同定した。化合物(I)の調理中の安定性について検討したところ、水中で加熱すると沸騰するまでの温度では比較的安定だが、沸騰直後に分解することが分かった。さらにその分解生成物は活性が非常に弱いことが明かとなったため、(I)が安定に存在する調理条件を検討した結果、少量の油が共存する条件でかなり安定化されることが分かった。現在、効率よく安定に我々の口に入れる調理条件について精査中である。 ニンニクの抗酸化性成分を精査した結果、アリシンおよびジアリルジスルフィド(II)が重要成分であった。化合物(II)は安定であり、かつ、α-トコフェロールおよびアスコルビン酸が共存するとより高い活性が認められ、その機構についても検討した。 抗高脂血症活性をグリセルアルデヒド-3ーリン酸デヒドロゲナーゼの阻害度および菌体中の脂質蓄積阻害を指標としてスクリーニングを行った結果、コショウには後者のみの活性が認められ、その活性成分の分離、精製を行った。数種の活性成分が認められたが、そのうちの一つは2,4-デカジエン酸と同定した。
|