1997 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠,授乳期における母体の食生活及び生活習慣が骨組織へ及ぼす影響
Project/Area Number |
07458003
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Research Institution | NARA UNIVERSITY OF EDUCATION |
Principal Investigator |
米山 京子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30079743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 順子 京都文教短期大学, 家政学部, 教授 (30076880)
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Keywords | 骨密度 / 授乳 / 食生活 / 生活習慣 / ハイドロキシプロリン / カルシウム栄養 / 妊娠 |
Research Abstract |
平成7年度よりの継続研究の3年度で、妊娠、授乳および食生活を含む生活習慣が骨密度に及ぼす影響について前向き研究により縦断的に観察し検討した。継続調査の対象者は、市内1病院を受診した妊娠初期(0-20週)の妊婦25人、出産後から対象者として加わった産褥婦12人および母乳栄養相談室に来院した出産後0-12週の26人で、妊娠初期と出産時の2回継続測定者20人、出産後と6カ月経過時の2回継続者46人、出産時およびその後6カ月間隔で5回継続者(現在も追跡継続中)について分析した。主要な結果は、 1.骨密度は出産後には妊娠初期に較べ有意(P〈0.01)に低下した。 2.6カ月間母乳栄養を行った者では骨密度が有意に低下したが、混合栄養群では低下率は小さく、人工栄養群では逆に出産後より上昇した。 3.授乳婦において乳、乳製品摂取量と骨密度低下率とは有意の正相関が認められた。また、豆・豆製品、海草類、小魚などの摂取頻度が多く、乳製品摂取が少ない食生活では、骨密度の低下率は大きかった。授乳中の骨密度の保護には乳、乳製品の摂取が重要であることが判明した。 4.乳、乳製品摂取量が少ない状態で1年間授乳した場合、骨密度の低下率は出産直後の値の10%にも上った。授乳後の骨密度の低下率も低かったことから、母性の保護が考えられる。 5.尿中H.P/Creの平均値は、出産後は妊娠初期に較べかなり高値で、骨吸収が亢進して出産後に骨密度が低くなったと考えられる。 6.尿中H.P/Creが亢進している者ほど出産後6カ月および12カ月の骨密度の低下率が大きかったことから、骨吸収の亢進に伴い骨密度が低くなったことの証拠と考えられる。
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Research Products
(1 results)