1997 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚温・発汗量制御型サーマルマネキンの開発に関わる研究
Project/Area Number |
07458006
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
田村 照子 文化女子大学, 家政学部, 教授 (30060817)
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Keywords | サーマルマネキン / 表面温度制御 / 発汗量制御 / 開発 |
Research Abstract |
サーマルマネキンは着衣をはじめ、住宅・乗物等の生活環境評価に不可欠な装置であるが、蒸汗特性をも評価し得る熱・水分共存系としての発汗サーマルマネキンは、未だ満足すべきものが完成されていない。本研究は、平成7年度に開始されたが、第1年目にはまずマネキン設計に必要な要素技術の研究、特にヒトの発汗機序に応じた不感蒸散・液相の汗の吐出方法、汗の輸送システムの検討、ヒトの皮膚面の持つ汗滴拡散方式に応じた模擬皮膚素材の検討、表面温度・発汗量のコンピュータ制御方法の検討等を円筒モデルについて行った。次いで平成8年度には、部分マネキンの試作として、乳児の腰部発汗マネキンを試作し、おむつ等を試料として、その制御の精度及び結果の妥当性を実験により確認、さらに幼児下肢部を対象にジョイントの検討を加え、歩行時の動的状況下での熱・水分移動、靴内気候に及ぼすポンピング効果などを明らかにすることができた。 平成9年度は、研究の最終年に当たり本来ならばまとめに入る時期であるが、近年レーザーによる三次元計測から求められた日本人成人女子の標準ボディが市販されるようになったことから、これを購入、改造して我国初めての成人女子可動発汗マネキンの試作にこぎつけたいと考えた。マネキン本体はガラス繊維強化プラスチック製で中空、全身分割数を16とし、各パ-ツ表面に3mmピッチで貼ったマンガニンワイア、及び発汗用のチューブは胴部中空部にホ-スを導入し、この中を一括して通すことで、可動性を損なわないよう工夫した。各区分の温度制御には、白金抵抗体温度計を用い、汗の吐出は1ケ/100〜150cm^2とした。 3月中旬現在で組み立て段階に入り、今年度中には日本人成人女子の標準体型で皮膚温・発汗量ともに制御可能な可動発汗マネキン完成の予定である。
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[Publications] Song, M-K & T.Tamura: "Dry and Evaporative Heat Resistance of Hanbok" J.Home Econ.Jpn.47-3. 19-28 (1996)
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[Publications] 田村照子・斜木祐里: "乳幼児腰部の発汗サーマルマネキンによるおむつの熱・水分移動特性の評価" 繊維学会シンポジウム予稿集 1996. 1996(S). S188 (1996)
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[Publications] 田村照子・山本顕子: "アジア地域民族服の衣服気候" 日本生気象学会雑誌. 33-3. (1996)
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[Publications] 斜木祐里・都筑和代・田村照子: "暑熱曝露に対する乳幼児の発汗皮膚温調節能" (社)日本家政学会第49回大会研究発表要旨集. 193 (1997)
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[Publications] 田村照子・姜仁亨: "乳幼児足部湿潤サーマルマネキンの試作と応用" 繊維学会シンポジウム予稿集. 1997(S). S167 (1997)