1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458019
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
進藤 宗洋 福岡大学, 体育学部, 教授 (30078539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 正春 産業医科大学, 教授 (40078770)
黒岩 中 福岡大学, 医学部, 助教授 (30122691)
清永 明 福岡大学, 体育学部, 教授 (70177955)
田中 宏暁 福岡大学, 体育学部, 教授 (00078544)
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Keywords | LT強度 / トレーニング / 高齢者 / 非特異的免疫 / 好中球 / NK細胞 |
Research Abstract |
LT強度による10週間のトレーニングが、高齢者の非特異的免疫能に及ぼす影響について検討した。 一般健常高齢者10名(男性4名、女性6名、平均63歳;トレーニング群)、コントロール群8名(男性4名、女性4名、平均63歳)を対象とした。トレーニング群は、自転車エルゴメーターを用いたRamp負荷試験により求めたLT強度で、60分/回、3回/週のトレーニングを10週間施行した。 免疫学的検査として、総白血球数、白血球分画、好中球の貪食能及び活性酸素産生能、NK細胞数およびリンパ球中に占めるその割合をトレーニング前後に測定した。 トレーニング群において、10週間のトレーニング後にLTに相当する仕事率は16.84%、LTに相当するVO2は12.89%、いずれも有意に増加した(それぞれp<0.01、p<0.05)。Peak VO2は増加の傾向を示した(p=0.08)。また、皮下脂肪厚より推定した体脂肪率は有意に減少した(p=<0.05)。 総白血球数、及び各分画にトレーニング前後及び二群間で有意な差はみられなかったが、好中球貪食能はトレーニング群において後に有意に向上し(p<0.05)、好中球活性酸素産生能も上昇の傾向がみられた(p=0.9)。トレーニング後の活性酸素産生能はコントロール群に比べると有意に高かった(p<0.05)。一方、リンパ球中に占めるNK細胞の割合は二群ともトレーニング前後で有意に低下したが(p<0.05)、NK細胞絶対数には有意な変化は認められなかった。二群間のNK細胞の割合、NK細胞数にも有意な差は認められなかった。 以上の結果から、10週間のLT強度のトレーニングは身体組成及び全身持久力を有効に改善し、この程度の期間のトレーニングでも、非特異的免疫機構の中心を担う好中球機能を充分に高めることができる可能性が示唆された。
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