1995 Fiscal Year Annual Research Report
理科授業におけるコミュニケーション活動を通した児童・生徒の自然認識に関する研究
Project/Area Number |
07458042
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
森本 信也 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (90110733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 圭司 横浜国立大学, 教育学部, 講師 (00224501)
福岡 敏行 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (40165270)
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Keywords | コミュニケーション / 自然認識 / 個人的構成主義 / 社会的構成主義 / 表現活動の多様性 |
Research Abstract |
理科授業におけるコミュニケーション活動を通した子どもの自然認識の活動が、ホワイト(White, R. T.)及びハブチン(Bahktin, M. M.)による知識論により整理できることが明らかとなった。それは、次の1〜5に整理することができる。 1.コミュニケーションを言語的側面のみに限定することなく、パフォーマンス、イメージ、エピソード記憶等とも関連させることにより、子どもの認識活動の内包性を拡大することができた。 2.コミュニケーション活動を通した認識の成立においては、子どもの価値意識が不可欠であることが明らかとなった。価値意識の内実が認識内容を左右させた。 3.個人における認識の成立の背景には、これと対峙する多様な価値意識及び認識体系を保持する社会(教室における多数の他者の存在)が存在し、また必要不可欠であることが明らかとなった。個人と集団とのコミュニケーション活動におけるループの存在である。 4.子どものコミュニケーション活動の一次的な源泉は、彼を取り巻く他者、教科書、TV等の多様なメディアである。こうした一次的な情報への触発により、内言に見られる真性の認識が成立していく。 5.子どものコミュニケーションは特定の状況を背景としてなされる。そして、こうした活動の加重的な関わりにより、認識内容が形成、発展していく。 平成8年度においては、こうした子どもの認識活動を指標として、理科授業におけるコミュニケーション活動を通した認識内容の力動性を明らかにし、授業成立の視点を確立させたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森本 信也: "理科教育と構成主義" 教育システム情報学会誌. 12. 230-231 (1995)
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[Publications] 森本信也・川鍋透: "子どもによる科学概念の構成において知情意一体化の意味するもの" 日本理科教育学会誌「理科の教育」. 44. 42-47 (1995)
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[Publications] 森本信也・中田朝夫: "理科授業において子どもたち一人ひとりの考え方はいかにかかわり、いかに発展するか" 日本理科教育学会誌「理科の教育」. 44. 46-51 (1995)
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[Publications] 福岡敏行: "新しい理科授業への認知面からの一方略" 放送教育開発センター研究報告. 80. 45-56 (1995)
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[Publications] 福岡敏行・松元博志・佐藤幸正: "意志決定に関与するグループ活動の役割に関する一考察" 横浜国立大学教育学部附属教育実践研究指導センター紀要. 12. 99-114 (1996)
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[Publications] 加藤圭司: "コンピュータ.リテラシー" 日本理科教育学会誌「理科の教育」. 44. 6- (1995)