1997 Fiscal Year Annual Research Report
児童生徒の「素朴概念」の実態に関する組織的研究-算数・数学・理科の事例を中心にして-
Project/Area Number |
07458044
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Research Institution | Yamanashi University |
Principal Investigator |
藤井 斉亮 山梨大学, 教育学部, 助教授 (60199289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 美徳 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90226259)
栗田 真司 山梨大学, 教育学部, 助教授 (00195554)
進藤 聡彦 山梨大学, 教育学部, 助教授 (30211296)
堀 哲夫 山梨大学, 教育学部, 教授 (30145106)
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Keywords | 素朴概念 / 数学的理解 / ミスコンセプション / 科学的概念 |
Research Abstract |
本研究の目的は、算数・数学・理科における児童生徒の「素朴概念」を顕在化させる方法を考究し、その方法に則して実践的研究を展開し「素朴概念」の実態を組織的に明らかにすることである。 そのために、以下の研究方法をとった。先ず、数学教育部門では、「素朴概念」を顕在化させる方法を理論的に考察した。これまで「ゆさぶり」「コンフリクトアプローチ」などとして実践的に同定されている教授学上の概念を整理した。これを踏まえた上で、指導への示唆を具体例をともなって示した。理科教育部門では、授業過程で「素朴概念」を顕在化させ、これを変容・解消・改善する具体的方法を研究した。 算数・数学と理科に共通する研究成果として先ず挙げられるのは、「素朴概念」の実態を顕在化させる方法を理論的に精緻に明らかにできた点である。それは、種々の新しい研究方法を積極的に開発・試行・実施した成果が実ったものである。このように研究の内容面だけでなく、研究方法面における成果も十分に評価できるものと考えている。 特に、理科教育部門では「素朴概念」を授業過程に組み込むことの実際を、理論的かつ実証的に示すことができた。しかも、「素朴概念」の変容をとらえる具体的方法も示され、これまでにない授業評価論を展開することができた。 研究がアクティブであればあるほど研究課題も次々に浮上し残された課題も多い。特に、算数数学における「素朴概念」を処理する段階で見出せた「コンパートメンタリゼイション」という現象については、今後さらなる研究課題の一つとして追求していきたい。
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