1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458055
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
弓場 敏嗣 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (50251723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 喜教 通産省工業技術院, 電子技術総合研究所, 室長
大沢 範高 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (30251721)
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Keywords | 並列処理 / 並列計算機 / 処理粒度 / 粒度調整 |
Research Abstract |
(研究の目的) 本研究は、分散記憶型並列計算機を利用する場合に、実行するプログラムのもつ並列性を十分に引き出し、適正な処理粒度に計算負荷を分割調整し、個々の並列要素プロセッサに分配・配置するメカニズムを明らかにすることを目的とする。具体的には、分散記憶型並列計算機上での効率的なプログラム実行を可能とする並列処理粒度(スレッド)を調整し、要素プロセッサに適正配置するメカニズムを解明し、その有効性を評価検証する。同メカニズムを現実の並列計算機の基本ソフトウェアに実装することにより、並列計算機の潜在的高速性を引き出す。 (本年度の研究実績) 当該研究の初年度においては、並列処理の効率化につながる処理粒度として、命令水準・命令ブロック水準・プロセス水準の各スレッドにおける粒度調整の方法を検討した。命令水準のスレッドでは、通信性能の高いEM-4においても、要素プロセッサでの計算量と通信コストとの適切なバランスをとることが困難であることが明らかとなった。命令ブロック水準では、ループの分割による手続き化、データの分割による並列化など、処理粒度を可変とすることが可能である。この粒度の可変性を用いて、対象とする並列計算機をもっとも効率よく動作させる最適粒度を解析的(静的)に求める方法を、いくつかの並列ベンチマークプログラムについて提案した。プロセス水準では、単一プログラムをプロセスに分割しての並列実行では、処理時間の優位性は期待できないことが判明した。次年度以降、本研究においては、命令ブロック水準における処理粒度調整を対象とすることとした。 適正配置メカニズムについては、並列計算機アークテクチャの違いがもたらす動的な適正配置基準への影響を調べた。並列ベンチマークプログラムを実行することによって、同メカニズムの有効性を評価した。なお、研究対象とする分散記憶型並列計算機として、電子技術総合研究所のデータ駆動型並列計算機EM-4および本学共用計算機Cenju-3をとりあげた。また、本研究を進めるための設備として、本年度は並列計算機のシミュレーションを行う高性能ワークステーション環境を整備した。
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