1995 Fiscal Year Annual Research Report
データ並列モデルに基づいたベクタ・プロセッサの有効利用に関する研究
Project/Area Number |
07458059
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
湯淺 太一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (60158326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貴島 寿郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 教務職員 (20273336)
梅村 恭司 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (80273324)
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Keywords | データ並列 / ベクタ・プロセッサ / コンパイラ |
Research Abstract |
本研究は,データ並列(以下,DPと略す)モデルに基づくプログラムをベクタ・プロセッサ上で実行するための処理方式を開拓し,実際に試験的な処理系を開発し,処理方式の評価を行なうものである.本年度はその準備段階として,以下のことを行なった. 1.本研究を行なうための実験環境として,汎用ワークステーションにベクタ・プロセッサ・ボードを接続したシステムを構築し,その試験利用を行なった. 2.上記のシステムを使用し,ベクタ・プロセッサ用の最適コードをいくつかの例題について手動で生成し,その評価を行なった.これらの評価結果に基づいて,本研究代表らが開発した既存のDP言語コンパイラであるNCXの改造を進めている. 本年度の予備的実験によって,最適化能力の高いコンパイラであれば,かなり多くのDPプログラムに対して,人力によって生成できる最適コードに近いものが生成できるという予測を得ている.また,実験によって判明した問題点として,ベクタ・プロセッサが内蔵するベクタ・レジスタの不足があげられる.ベクタ演算の高速化は,ベクタ・レジスタにすべてのデータが格納されている状態を可能な限り維持してはじめて可能となる.ベクタ・レジスタが不足する場合にはメモリへのデータ退避が必要であるが,この操作に多大の時間を要することが判明した.通常の計算機においても,レジスタ内データの退避を避けることは重要な課題であり,様々な研究が行なわれている.通常の計算機において開発されている手法を,ベクタ・プロセッサを対象としたDP言語コンパイラにも活用することが不可欠である.この点を考慮して今後のDP言語コンパイラ改造作業を進めてゆきたい.
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