1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458078
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小川 輝繁 横浜国立大学, 工学部, 教授 (50017935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 淳巳 横浜国立大学, 工学部, 講師 (60174140)
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Keywords | 廃プラスチック / 難燃剤 / 湿式酸化処理 / 焼却処理 / 分解生成物 |
Research Abstract |
近年プラスチック製品には用途の多様化に伴い様々な配合剤が添加されているため,廃プラスチック処理において有害物の発生や重金属の飛散等の問題を有し,消却処理では適切に処理できないものも多く存在する。特に電気,自動車,航空,建築など様々な分野で使用されている難燃化プラスチックには,耐熱性を付加させるために難燃剤が添加されているが,この難燃剤には燃焼により毒性の強い物質を生成する物質や発ガン性が懸念されている重金属が多く使用されており,社会問題となっている。 本研究では,廃プラスチックの低温燃焼処理技術の確立を目的とし、近年難分解性物質の無害化処理技術として注目されている湿式酸化法を取り上げ,難燃化プラスチック処理技術としての有効性を確認した。特にここでは,難燃化プラスチックの熱分析,焼却処理実験により熱分解,燃焼特性を把握した上で,湿式酸化処理による分解率と分解生成物の把握を行い,焼却処理との比較を行った。 湿式酸化処理後の分解生成物の定性定量の結果,難燃剤の臭素化合物は種類によって分解しないものがあるが,これらは回収・再利用が可能で,また分解生成物としては,約1ppmのブロモベンゼンが検出されたが,他の臭素はすべてイオンとして溶液中に存在し,毒性の強い物質の生成の可能性は極めて低いことが判った。また三酸化アンチモンは固体残留物として残留するため,環境中に排出されることはなく,さらに残留物は利用価値の高い五酸化アンチモンとなることがわかった。以上より,湿式酸化処理法は焼却処理法と比較して,有害物質の排出を抑制可能で環境負荷の小さい処理法であることが明らかとなった。
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