1995 Fiscal Year Annual Research Report
スキージャンプ台実験と3次元粒子流モデル開発による雪崩流動機構の解明
Project/Area Number |
07458080
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 浩一 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10180639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納口 恭明 科学技術庁, 防災科学技術研究所, 主任研究官
前野 紀一 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (50001657)
石崎 武志 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (80212877)
児玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (70186708)
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Keywords | スキージャンプ台 / 乾雪表層雪崩 / ピンポン流 / 3次元粒子流モデル |
Research Abstract |
平成7年11月に、荒井山(35m級)と宮の森(ノーマルヒル・70m級)のスキー競技用ジャンプ台において、2個から最大30万個までのピンポン球を一気に流下させ、その挙動と形態変化等をビデオに収録した。これまでの画像解析の結果からは、流れの速度が粒子数とともに増加するという流れのサイズ依存性などが明らかになった。また雪崩等の大規模崩壊現象に共通して見られる、頭部と尾部の形成という形態的特徴の再現も確認され、模擬実験による雪崩流動機構の研究を進める上で、ピンポン球が最適な物質であることが確認された。本結果をもとに、現在3次元粒状体流れの数値モデルを開発中である。 積雪期には、同じジャンプ台の助走路を雪崩斜面として用いて実際に雪のブロックもしくはあらかじめ細かく砕いた雪を最大300kg流下させる実験を行った。雪の加速に伴う破壊、流動化、粒子化、雪煙の発生そして停止、堆積に至るまでを連続的にビデオカメラで撮影した。また黒部峡谷で自然雪崩を対象に展開している観測システム(荷重変換器、風圧計、気圧計等)と同様のものを走路上に構築し測定を行った。現在、荷重変換器のデータと静圧変動の値から、内部速度構造を求めるための解析を進めている。超音波風向風速計の出力からは、雪の流れにより誘起される空気の流れの乱流構造(流れ型雪崩から煙り型雪崩に遷移するうえで重要な因子となると考えられる)も求められた。今冬の多雪にともない数多くの観測に成功した黒部峡谷における実際の大規模な雪崩データと比較検討を行っており、雪崩の流動特性に関わる理解が深まると期待される。
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