1996 Fiscal Year Annual Research Report
都市水害の解析・防御のための地理情報システムとリモートセンシングの応用
Project/Area Number |
07458086
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宝 馨 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80144327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 哲 京都大学, 防災研究所, 助手 (30252521)
近森 秀高 京都大学, 防災研究所, 助手 (40217229)
堀 智晴 京都大学, 工学部, 助教授 (20190225)
中北 英一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70183506)
岡 太郎 京都大学, 防災研究所, 教授 (90027243)
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Keywords | 数値地図 / 空間分解能 / 水文データベース / 土地被覆分類 / 洪水予測 / 内水排除 / 水害避難シミュレーション / 都市流域 |
Research Abstract |
本研究では、都市水害の解析・防御を目的として、最新のGISとリモートセンシング(RS)データを研究の過程で利用している。以下に本年度の成果を要約する。 (1)宝は、庄内川流域のRS画像(空間分解能6.25mの航空機MSSデータ、空間分解能20mのSPOT-2HRVデータ)をもとにさらに粗いRSデータを模擬生成し、土地被覆分類、植生指標NDVI、蒸発散推定に及ぼす空間分解能の影響を定量的に明らかにした。また、矢田川流域において、50m及び250mメッシュの数値標高データと10mメッシュの土地利用数値地図、レーダ雨量を用いた分布型流出モデルを構成し、洪水予測精度を検討した。 (2)岡・宝・近森は、小椋池流域においてこれまで蓄積されてきた河川水位、雨量データを整理するとともに、流域の状態を地形図、航空写真、現地踏査によって精査し、河川、排水路、地中の上下水道管、道路、用途地域の区画、等高線などのベクタ情報をGISを利用して入力・整備した。 (3)中北は、まず、国見山レーダ雨量計に関し、鹿児島豪雨の生起した年の1年間の5分毎のレーダ情報のデータベース化を図り、それをデータベースのプロトタイプとした。さらに、そのデータベースを用いた分析により、20日程度以上の時間スケールでの時間平均降雨分布には地形標高とかなりタイトな線形関係があること、したがって、20日が降雨分布のスケール階層構造の境目であることを発見するとともに、その分析結果をベースに地形との関係を考慮した降雨分布の確率モデルを提案した。 (4)堀は、水害避難行動ミクロモデルとGISをリンクすることにより、洪水-氾濫-避難の一元的なシミュレーションを行い、都市部における地形・浸水条件と、避難行動及び適切な情報提供の時期や形態との関係を明らかにした。 (5)近森は、内水排除のための排水機の最適運用を機場における洪水位予測に基づいて行う方法を示し、GISを用いた内水排除計画・施設管理の意志決定支援システムの基礎を構築した。 (6)大石は、定性推論及びモデルベース推論と呼ばれる情報工学的推論手法を用いて、都市水害を生起させるような局地的な降雨に対する短時間予測法を開発した。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Kaoru Takara: "GIS-aided land cover classification assessment based on remote sensing spatial resolutions" Application of Geographic Information Systems in Hydrology and Water Resources Management,IAHS Pub.No.235. 659-665 (1996)
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[Publications] Hidetaka Chikamori: "Evaluation of Urbanization in a Small Basin by Land Cover Classification Using Landsat TM Digital Data" HydroGIS'96,Vienne,Austria,April 16-19. 60-67 (1996)
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[Publications] Kaoru Takara: "Application of remote sensing and GIS to research on disasters caused by floods and sedimentation" Proc.of WDFGM-1996,August 21-23,Yogyakarta,Indonesia. 62-77 (1996)
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[Publications] 児島 利治: "リモートセンシング画像の空間分解能と土地被覆分類精度の関係-4種の画像と低分解能アルゴリズムを用いて" 日本リモートセンシング学会誌. 45-5. 23-37 (1996)
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[Publications] 大久保 豪: "都市流域における洪水流出モデル構築へのGISの応用" 土木学会平成9年度関西支部年次学術講演会講演概要. (発表予定). (1997)
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[Publications] 中北 英一: "降雨の時空間分布特性の地形依存性" 京都大学防災研究所年報. 39号B-2. 235-250 (1996)
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[Publications] 大石 哲: "定性推論を用いた雲物理モデルの開発" 水文・水資源学会1996年研究発表会要旨集. 50-51 (1996)
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[Publications] Satoru Oishi: "Inference of Local Rainfall Using Qualitative Reasoning" The 10th Int'l Workshop,AAAI Technical Report. WS-96-01. 181-189 (1996)
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[Publications] 中北 英一: "時間スケールに依存した地形-分布降雨特性" 京都大学防災研究所年報. 40号B-2(印刷中). (1997)
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[Publications] Takuma Takasao: "Modeling of Inhabitants'Attitude on Flood Disasters for Refuge Simulation" Journal of Hydroscience and Hydraulic Engineering. 13-1. 71-79 (1995)