1996 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型都市の大気環境形成手法評価のための都市キャノピモデルに関する研究
Project/Area Number |
07458122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 克人 大阪大学, 工学部, 教授 (90029166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 明 大阪大学, 工学部, 助手 (20215445)
加賀 昭和 大阪大学, 工学部, 助教授 (90029265)
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Keywords | 都市キャノピ / 大気境界層 / 蒸発 / 都市気候 / 水分ポテンシャル / 風洞実験 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
1.土壌面からの蒸発量を推定するために、土壌内部の熱・液体水・水蒸気の輸送過程を考慮した多層モデルを作成した。このモデルではモデルパラメータとして、水分ポテンシャル、透水係数、熱伝導率および土壌内液体水が土壌空隙部へ蒸発する際の蒸発抵抗があり、これらのパラメータは土壌含水率とともに変化するために、全て実測を行う必要があった。今回、透水係数・蒸発抵抗を水分ポテンシャルの関数として表現できる新たなパラメータ式を導出し、風洞実験で行ったpan実験の実測値とこの新たなパラメータ式を用いた多層モデルの計算結果を比較した。その結果、土壌面からの蒸発量に関しては良い結果を得たが、温度と液体水の土壌内の鉛直分布については若干の違いが生じた。これは、pan実験装置の断熱が完全でなかったことが原因である。 2.昨年度開発した1次元都市キャノピモデルを、3次元へ拡張した。具体的には、大阪市を含む100km^2の領域を対象に大気境界層予測モデルにより流れ場を推定し、nesting手法を用いて大阪都市部の大気境界層流れを予測する。その際、大阪都市域の大気境界層モデルに対して都市キャノピモデルを組み込んだ。都市キャノピモデルを組み込むことにより、都市域での風速の減少、夜間の温度上昇が見られ、都市気候の特徴を定性的に予測することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 平田毅,山口克人他: "土壌から大気への熱・水分輸送モデルに適用する水理パラメータの検討" 空気・調和衛生工学会近畿支部学術研究発表会. 37-40 (1996)
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[Publications] 田村直道,山口克人他: "都市キャノピモデルによる都市内部及び上空の大気流に関する研究" 空気調和衛生工学会近畿支部学術研究発表会. 57-60 (1996)
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[Publications] KONDO,A and K.Yamaguchi et.al: "Development of Urban Canopy Model and its Sensitivity Analysis" Technical Report of the Osaka University. 46. 245-254 (1996)
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[Publications] 近藤明,山口克人他: "都市キャノピを考慮した大気境界層のシミュレーション" 第9回計算力学講演会講演論文集. 225-226 (1996)