1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458154
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
田井 直 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍免疫研究部門, 研究員 (70112092)
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Keywords | 細胞分化 / 糖鎖 / 小脳顆粒細胞 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
我々により樹立された一連の糖鎖抗体を用い、ラット小脳初代培養細胞における糖脂質の発現を解析した。その結果、各種糖脂質の発現は各神経細胞に特異的であることが判明した。すなわち、小型神経細胞にガングリオシドGD2、GD1bが、大型神経細胞にο-アセチル化ジシアロガングリオシドが特異的に発現されることが判明した。次に、多数の神経細胞マーカーを用いてさらに詳細に検討を加えた。神経細胞マーカーとして知られている神経特異エノレース、微小管関連蛋白質2、及びシナプトフィジンに対する抗体を用い、GD1b抗体陽性は小型の神経細胞(大半は顆粒細胞である)であることが確認された。ο-アセチル化ジシアロガングリオシド抗体陽性のプルキンエ細胞の同定は、Leu4、カルビンディンD、IP3受容体、及びParvalbuminに対する抗体との二重染色で確認された。上記結果より、各種糖脂質は神経細胞の新しい有用なマーカーになりうることが示唆された。さらに、小脳顆粒細胞の分化に従い、未分化ではGD3、分化細胞にはGD2、GD1bの特異的発現が観察された。次に、小型の神経細胞を含む初代培養細胞からガングリオシドを抽出・精製し生化学的に分析を行ったところ、小型の神経細胞の主要ガングリオシドはGM3、GM1、GD1a、GD1b、及びGT1bである事が判明した。この結果は、免疫細胞染色法による陰性所見は糖質抗原の欠損を意味しないことを端的に示した。これらの抗体は、組織切片上で組織特異的に反応することが確認されているので、おそらく顆粒細胞のGD1b以外のガングリオシド抗原はcrypticであると考えられる。以上、本年度得られた知見は、本研究課題の今後の展開にとって重要な基盤となることを示す。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kotani, M.: "Developmental changes of ganglioside expressions in postnatal rat cerebellar cortex" Brain Res.700. 40-58 (1995)
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[Publications] Sjoberg, E. R.: "Expression of de-N-acetyl-gangliosides in human melanoma cells is induced by Genistein or Nocodazole" J. Biol. Chem.270. 2921-2930 (1995)
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[Publications] Yuki, N.: "Ganglioside-like epitopes of lipopolysaccharides from campylobacter jejuni(PEN) in three isolates from patients" J. Neurol. Sci.130. 112-116 (1995)
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[Publications] Ariga, T.: "Expression and localization of lewisX glycolipids and GDla ganglioside in human glioma cells" Glycoconj. J.(印刷中). (1996)
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[Publications] Schnaar, R. L.: "Distinctive ganglioside patterns revealed by anti-ganglioside antibody binding to differentiating CG-4 oligodendrocytes" Glycobiology. (印刷中). (1996)
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[Publications] Kotani, M.: "An immunohistochemical technique with a series of monoclonal antibodies to gangliosides" Neurosci. Prot.(印刷中). (1996)
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[Publications] 田井 直: "ガングリオシド研究法 I" 学会出版センター, 260 (1995)
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[Publications] 川島 育夫: "ガングリオシド研究法 II" 学会出版センター, 270 (1995)