1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458158
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 賢右 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (90049073)
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Keywords | ATP合成酵素 / F1-ATPアーゼ / ATP合成 / 好熱菌 / ATP / トリチウム交換 / プロトン輸送 / 酸化的リン酸化 |
Research Abstract |
ATP合成酵素は,膜内にあってH^+の通過路となるFoと,膜表面にあってATP合成の触媒中心の存在するF_1-ATPase(サブユニット組成 α_3β_3γδε)とに,可逆的に分離することができる.その構造の最大の特徴は,α_3β_3の6角形のリングの中央を,γサブユニットの90Åに及ぶ長いα-ヘリックスが貫いていることである.α_3β_3の中央でγサブユニットが回転するという作用機構モデル(Boyerの“回転説";H^+の流れ→回転→ATP合成)が現在優勢である.確かに回転しているかどかはともかく,γサブユニットは,H^+の透過によって生じたFo部分の構造変化を,βサブユニットの活性中心に伝えているにちがいない.問題は,どのように伝えているのか?,という点である. そこでγサブユニットの役割を追究した。好熱菌のF_1-ATPaseのγサブユニットを含む複合体(α_3β_3γ)を大腸菌内で大量に合成させる組み換え系を確立し,これによって以後の研究が格段に進むようになった。まずα_3β_3複合体とα_3β_3γ複合体の酵素学的な比較検討を行なった。α_3β_3γ複合体の1つのβサブユニットは,基質ATPを強く結合し,その水解は2つ目のβサブユニットにATPが結合すると著しく促進される。しかし,α_3β_3複合体にはこのような性質は見られなかった。γサブユニットの導入によってα_3β_3複合体にもたらされた構造的非対称性が,3つのβサブユニットの差別化をひきおこすと結論した。また,γサブユニットをトリチウム標識し,α_3β_3γ複合体に再構成し,ATP水解にともなうトリチウム放出を測定したところ,ATPを加えない場合と差がなかった。したがって,γサブユニットのα-ヘリックスの大規模な崩壊と再編成は起きていないと結論した。 好熱菌のα_3β_3γの発現系を作製した。大腸菌1gから20mgも精製品がとれる。このことにより,試料の調製が格段に容易になった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshida, M.: "A common topology of proteins catalyzing ATP-triggered reactions" FEBS Lett.359. 1-5 (1995)
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[Publications] Miyauchi, M.: "F_1-ATPase α-subunit made up from two fragments (1-395,396-503) is stabilized by ATP" Biochim. Biophys. Acta. 1229. 225-232 (1995)
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[Publications] Saika, K.: "A minimum catalytic unit of F1-ATPase shows non-cooperative ATPase activity" FEBS Lett.368. 207-210 (1995)
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[Publications] Matsui, T.: "Expression of the wild-type and the Cys-/Trp-less α_3β_3γ complex of F1-ATPase in Escherichia coli" Biochim. Biophys. Acta. 1231. 139-146 (1995)