1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458168
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
葛西 道生 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40022595)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 淳子 大阪大学, 基礎工学部, 教務職員 (90252634)
井出 徹 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60231148)
|
Keywords | 筋小胞体 / リアノジン受容体 / 興奮収縮連関 / カルシウムチャネル / カルセケストリン / トライアド / 脱分極 / Fura-2 |
Research Abstract |
骨格筋の興奮収縮連関の分子機構を解明するために,単離筋小胞体ベシクルを用いて,興奮収縮連関に関与する内在性因子の同定を行った。Ca^<2+>放出チャネル(リアノジン受容体)は細胞内(筋小胞体ベシクル外)Ca^<2+>濃度に依存するゲート機構を持つが,ベシクル内Ca^<2+>濃度を低くするとベシクル内のCalsequestrin(CSQ)が失われ,それと平行してCa^<2+>チャネルが開かなくなることから,CSQがリアノジン受容体を制御していることを昨年度の研究で示した。そこで,CSQが筋小胞体のどのタンパク質と結合しているかを調べるために,CSQを基質としたアフィニティーカラムを作製しCSQ結合タンパク質の探索を行った。その結果,96kDaのTriadin,30kDaのDIDS結合タンパク質,25kDaのJunctinと思われるタンパク質と結合することが分かった。更に30kDaタンパク質を精製し,そのアフィニティカラムを使って結合タンパク質を調べたところ,CSQの他に25kDaのJunctinと思われるタンパク質が結合することが分かった。これらの結果からこの3種のタンパク質は複合体を形成しリアノジン受容体からのCa^<2+>放出を制御している可能性が示された。 筋小胞体からのCa^<2+>放出の分子機構を解明するために,トライアド分画を精製し,脱分極によるCa^<2+>放出の速度論的解析を行った。トライアドはT管膜と筋小胞体が結合をしたものである。T管膜をイオンの置換によって脱分極させ,筋小胞体からのCa^<2+>放出を蛍光色素Fura-2を用いて測定した。その結果,Ca^<2+>放出速度には2つの成分があることが確認できた。以前の報告とは異なって,速い成分は脱分極を大きくすると放出Ca^<2+>の量が増加したが,放出速度は変化しなかった。遅い成分は逆に放出量は変化しなかったが,放出速度は増加した。このことから速い放出は筋小胞体内でCSQに結合したCa^<2+>量子的に放出されており,遅い成分は筋小胞体内の遊離のCa^<2+>が放出されるというモデルを提出した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] J.Ding: "Analysis of multiple conductance states observed in Ca^<2+> release channel of sarcoplasmic reticulum." Cell Struct.Funct.21. 7-15 (1996)
-
[Publications] K.Kiyosue: "Two modes of activity-dependent synaptogenesis of cerebral neurons in vitro." NeuroReport. 7. 701-704 (1996)
-
[Publications] I.Fujimoto: "GTP-binding protein activation underlies LTP induction by mast cell degranulating peptide." Neurosci.Res.25. 229-237 (1996)
-
[Publications] T.Kagari: "Biochemical characterization of calsequestrin-binding 30-kDa protein in sarcoplasmic reticulum." Biochem.Biophys.Res.Commun.227. 700-706 (1996)
-
[Publications] 葛西道生: "生体膜のイオンチャネル" 膜. 21. 223-229 (1996)
-
[Publications] M.Kasai: "Ion Channel.Regulation of calcium release channel in sarcoplasmic reticulum." Prenum Press, 303-331 (1996)
-
[Publications] 葛西道生: "生体膜とは何か 生体膜" 吉岡書店, 1-25 (1996)