1995 Fiscal Year Annual Research Report
視細胞光受容における高い時間分解能を可能にするメカニズム
Project/Area Number |
07458169
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 文夫 神戸大学, 理学部, 教授 (80093524)
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Keywords | 視細胞 / 光受容 / cGMP / ホスホジェステラーゼ / リン酸化 / 阻害サブユニット |
Research Abstract |
脊椎動物視細胞外節中のcGMP-PDEの調節サブユニット(Pγ)をリン酸化するプロテインキナーゼを検索した。これまでの所、そのプロテインキナーゼが42-43kDaの新規のものであることが分かった。この分子量から推定されるプロテインキナーゼはいくつか存在するが、免疫化学的検討によって、MAPキナーゼ、PKC、 PKA、ロドプシンキナーゼのいずれでもなく、最近他の組織で発見されたある種のプロテインキナーゼと類似のものである可能性が示唆された。また、細胞当たりの含量がかなり少なく、シークェンス決定には1,000個以上のウシ眼球からの蛋白質精製が必要出あることが判明した。現在、この精製に取りかかっている。PKCがPγをリン酸化することは報告されていたが、新たにPKAも35Thrをリン酸化し、かつ非リン酸化型Pγより5倍程度強く活性型PDEを阻害するようになることを確認した(論文準備中)。少なくともin vitroでPγをリン酸化するキナーゼはこの未同定のキナーゼ以外にもあることも分かった。従って、潜在的にPγをリン酸化しうるキナーゼが視細胞外節中にいくつか存在し、個々にリン酸化サイトが異なり、生理的機能も異なることが示唆された。また、in vivoのリン酸化実験により、光依存性にリン酸化されるアミノ酸はこれまで報告された部位以外にも存在する可能性が示唆された。Pγのリン酸化を介したPDE調節が予想よりも複雑な側面を持つ可能性が出てきた。
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