1996 Fiscal Year Annual Research Report
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07458174
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
木下 一彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30124366)
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| Keywords | 蛍光顕微鏡 / ATP合成酵素 / アクチン / 蛋白質構造変化 / 分子モーター / 1分子イメージング / 蛍光偏光 / 分子機械 |
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| Research Abstract |
蛋白質でできた分子機械は確率的に働くため、互いに同期させることができない。従って、その働きを理解するにはどうしても1個1個の分子機械を観察する必要がある。本研究では、蛋白質分子1個の構造変化を、その分子の特定部分の向きの変化、すなわち回転として捉えることを試みた。構造変化の検出法として、2つのアプローチを考えた。第1に、プラスチックビーズのように蛋白質分子に比べてはるかに巨大なプローブを用いる方法、第2に蛋白質分子よりずっと小さい蛍光色素分子をプローブに用いる方法である。現時点で、それぞれのアプローチに付き一つずつ成果が得られたので。以下に報告する。
1.巨大プローブによるATP合成酵素の回転のイメージング(東工大と共同)Boyerにより、ATP合成酵素のF1部分の中央にあるγサブユニットが回転することによりATPが合成されるという仮説が提出された。この真偽を確かめるため、F1をガラス面上に固定し、γサブユニットに巨大プローブとして蛍光染色したアクチン線維を結合させた。ATPを加えて蛍光顕微鏡下で観察したところ、アクチン線維が1方向に何百回も回転するのが見られた。これはATP合成の逆反応によるものであり、回転の方向はこの酵素の結晶構造から予想されるものと一致した。たった1分子でできた、知られている限り世界最小の回転モーターが見つかったことになる。
2.蛍光偏光によるアクチン線維の回転のイメージング(早大と共同)アクチン線維に1分子の蛍光色素をしっかりと結合させ、蛍光の縦・横両偏光成分を同時観察することにより、アクチン線維がミオシン上を滑走するときには線維軸の周りに回転することがわかった。色素1分子の向きを蛍光偏光測定により実時間連続イメージングすることに成功したものであり、蛋白質1分子の構造変化検出の道を開くものである。
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[Publications] Ichiro Sase,et al.: "Axial Rotation of Sleiding Actin Filaments Revealed by Single-Fuorophore Imaging" Proc.Natl.Acad.Sci.USA,in press.
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[Publications] Hiroyuki Noji,et al.: "Direct Obsevation of the Rotation of F1-ATPase" Nature,in press.
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[Publications] Hidetake Miyata,et al.: "Cooperative Association of Actin Protomers and Crosslinked Actin Oligomers in Filaments at Low Inoic Strength" J.Biochem.,in press.
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[Publications] Ken'ichirou Akashi,et al.: "Preparation of Giant Liposomes in Physiological Conditions and Their Characterization under an Optical Microscope" Biophys.J.71. 3242-3250 (1996)
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[Publications] Ryohei Yasuda,et al.: "Direct Measurement of the Torsional Rigidity of Single Actin Fioaments" J.Mol.Biol. 263. 227-236 (1996)
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[Publications] Taiji Furuno,et al.: "SEM Imaging of Single Heavy Meromyosin Molecules on Hydrophilic Silicon Surface" Bioimages. 4. 73-78 (1996)
