1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458177
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西郷 薫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50136454)
|
Keywords | ヘッジホッグ / ウイングレス / 神経芽細胞 / 位置情報 / 分泌蛋白 / オートクリン / 中枢神経 / パラクリン |
Research Abstract |
ショウジョウバエの中枢神経系構築において、segment polarity遺伝子hedgehogの果たす役割について詳細に検討した。ショウジョウバエの中枢神経系ventral gangliaは、neuroectodermの一部の細胞が神経芽細胞として陥入することにより形成される。hedgehogは、neuroectoderm及び神経芽細胞層中で縞状に発現し、蛋白質を分泌する。様々な神経芽細胞の遺伝子マーカーを用いた実験から、Hedgehog蛋白質は、2つのhedgehog発現神経芽細胞列内の一列及び最隣接列、計3列での神経芽細胞形成に必須であり、その不在により後S1神経芽細胞の形成が完全に阻害されることが分かった。S1神経芽細胞及び他の列での神経芽細胞形成には全く影響はない。温度感受性変異株を用いたシフトアップ、シフトダウン、一過的発現及び一過的不活性化実験により、Hedgehog蛋白質の必要かつ十分な作用は、神経芽細胞陥入の2時間程前の1時間であり、neuroectoderm細胞に対するものであることが分かった。第5列で発現するwinglessとhedgehogの相乗効果も調べた。この結果、神経芽細胞NB7-3形成において、hedgehogとwinglessが、相保補的かつredundantな働きをすること及び、全6列の神経芽細胞の形成は、hedgehog,winglessからの分泌シグナルの分布の違いにより制御されているらしいことが判明した。Hedgehogは、autocrine及びparacrineとして機能し、また表皮形成の場合と異なりhedgehog発現とwingless発現は、互いに独立していた。neuroectoderm由来の神経芽細胞のみならず、正中線細胞の形成もneuroectodermからのhedgehogによりコントロールされていた。
|
-
[Publications] Satoshi Ishimaru: "An intragenic tandem duplication of genomic DNA is responsible for the f3N mutation of Drosophila melanogaster" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 92. 2999-3003 (1995)
-
[Publications] Shin-Ichi Higashijima: "eagle,a member of the steroid receptor gene superfamily,is expressed in a subset of neurobasts and regulates the fate of their putative progeny in the Drosophila CNS" Development. 122. 527-536 (1996)
-
[Publications] Hideaki Koike: "Crystallization and preliminary crystallographic analysis of the major NAD(P)H:FMN oxidoreductase of Vibrio fscheri ATCC7744" Journal of Structural Biology. (in press).