1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458186
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
山尾 文明 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助教授 (10158074)
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Keywords | ユビキチン / ユビキチン結合酵素 / 細胞周期 / 蛋白質分解 / サイクリン分解 |
Research Abstract |
ユビキチン系の関わる細胞機能の範囲は極めて多岐にわたるが、その多様性はファミリーを形成し、それぞれに異なる基質(ユビキチン化の標的蛋白質)特異性を持つユビキチン結合酵素(E2)群、ユビキチンリガーゼ(E3)群の分子的多様性とそれらの基質識別機構に依拠するものと考えられる。そこで細胞周期の制御に注目し、その中枢に位置する機能蛋白質群が分解を通じていかにその機能発現の制御を受けているかを、その特異的な分解のメカニズムを解析することによって明らかにし、それを細胞増殖や細胞周期の制御ネットワークの中に位置づけることを目的とした。 そのために分裂酵母よりユビキチン結合酵素を探索し、細胞周期制御に深く関わるubcP4を分離、同定した。ubiquitin-conjugatingenzymeubcP4の欠損は細胞周期M期に異常を引き起こした。その遺伝学的解析の結果、このユビキチン経路は分裂期Cyclin(Cdc13p)の分解、分裂後期開始に必須の姉妹染色体分離のための核蛋白質(Cut2p)分解を担っているものであることが判明した。 この分解系にはサイクリン特異的ユビキチンリガーゼが関与することがしられているが、これは20S複合体でCyclosomeまたはAPCと呼ばれ、細胞周期制御のなかでも特にその中枢で重要な鍵をにぎるものである。にもかかわらず、まだその全容は明らかになっていない。遺伝学の容易な分裂酵母でUbcP4/Cyclosomeの反応経路を手にしたことから、これを用いてその全容を解明する有力な手段を得たといえる。また上記標的蛋白質以外にもこのユビキチン化、分解経路はDNA合成開始時の制御蛋白質の分解にも関わっている可能性がある。そこでこの分解の標的蛋白質を同定し、そのためのUbcP4-APCユビキチン経路における制御機構をも探る手だてとなりうる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Kishi: "Grr1 functions in the ubiquitin pathway through association with Skp1." Molecular and General Genetics. (印刷中). (1997)
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[Publications] T.Nakajima: "Introduction of Ubiquitin-Conjuquting Enzyme Activity for Degradation of Topoisomerase lla during Adenovirus EIA-Induced Apoptosis." Biophys.Biochem.Res.Commun.,. 239. 823-829 (1997)
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[Publications] F.Osaka: "A ubiquitin-conjugating enzyme in fission yeast,that is essential for the onset of anaphase in mitosis." Molecular & Cellular Biology. 17. 3388-3397 (1997)
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[Publications] H.Ikehata: "Incubation at the nonpermissive temperature induces deficiencies in UV resistance and mutagenesis in mouse mutant cells expressing a temperature-sensitive ubiquitinactivating enzyme(E1)." Molecular & Cellular Biology. 17. 1484-1489 (1997)